[携帯モード] [URL送信]

Confusion!!(修正前)
2.
学生達の方に視線を戻すと、どうやら3人組は眼鏡の少女をイジメているようだった。
あそこまでコテコテだと、何だか全く迫力の無い虐めに見える。
私はすぐにでもイジメをやめさせに行きたかったけれど、折原さんがいる手前で下手に動きたくなかったので、男子生徒ーえぇっと、帝人君?に視線を移した。
彼はどうやら、眼鏡の少女を助けるのにどんな方法がいいか、作戦を立てているようだ。


「折原さん、アレ助けた方がいいんじゃないですか」


私が言うと、折原さんは「そうだね」と言って、帝人君の方へと歩み寄った。

足を踏み出した帝人君の肩に、折原さんがポンと手を載せる。
帝人君が息を呑み、折原さんが、


「イジメ?やめさせに行くつもりなんだ?偉いね」


と感心した様に言って、そのまま帝人君の肩を掴んでぐいぐいと前に押し出し始めた。


「ちょっと!?」


帝人君が叫んでいる。

……御愁傷様です、帝人君。

私は心の中で手を合わせた。


「やややっやあ、園原さん、偶然だねねねねねうわあああああっちょっと!」


そのまま4人目の前まで押し出される哀れな帝人君。
そこでようやく折原さんは足を止めた。


「な、なんですか?」


イジメる側にいた女子の1人が、どこか怯えたように声をあげた。
その声は当然帝人君ではなく、後ろにいる折原さんへと向けて放たれている。


「いやあ、よくないなあ、こんな天下の往来でカツアゲとは、お天道様が許しても警察が許さないよ」


冗談のような言葉を吐きながら、折原さんは女の子達の方にスタスタと近づいていく。


「イジメはかっこ悪いよ、よくないねえ、実によくない」

「おっさんには関係ねえだろ!」


そう怒鳴りつける女子高生は、ようやく本性を表したのか、それとも虚勢を張ってるのだろうか、どちらにせよ私には関係ないけれど、声を張り上げて折原さんを睨み付けた。


「そう、関係無い」


折原さんがニコニコしながら、また戯言(?)を語り出す。


「関係無いから、君達がここで殴られようがのたれ死のうが関係無い事さ。俺が君達を殴っても、俺が君達を刺しても、逆に君達がまだ23歳の俺をおっさんと呼ぼうが、君達と俺の無関係は永遠だ。全ての人間は関係していると同時に無関係でもあるんだよ」

「はぁ?」

「人間って希薄だよね」


意味の解らない事を言いながら、折原さんは女の子達に一歩近づいた。

[*前へ][次へ#]

2/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!