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Confusion!!(修正前)
5.
「別に。警察に訴えればどうにかなりますし」

「珠音ちゃんさぁ……俺が警察に訴えられるようなヘマやらかすと思う?」

「しませんね」

「それに君、此処を出たら身寄りがないじゃん。どうするの?」


……痛いとこ突いてくるなぁ。


「し……親戚の所に行きますよ」

「へぇ?会った事もない親戚の所に行くの?」


バレてましたか……。

私は親戚に会った事がない。従兄弟にも、叔父や叔母にですら会った事がないのだ。

そんな事まで知っているなんて、折原さんは只者じゃない。
いや、情報屋さんなんて言うアンダーグラウンドな仕事してる時点で只者じゃない事は確かだけど。

そして私は、何と無く嫌な予感がしつつも、次の質問をした。


「単刀直入にお願いします。
つまり貴方は……私にどうしろと?」


折原さんは、待ってましたとばかりにこう言った。


「俺の所に来なよ」


……大当たり。


「だから……何でそうなるんですか」

「今朝も話しただろう?俺は君に凄く興味があるんだ。人間は基本的にみんな見ていると面白くて面白くてたまらないけど、君の面白さは格別だ。わざわざ此処まで付いて来たんだし、君がどれだけ嫌がっても、俺は君を連れて行くよ?」

「……」

「安心して。絶対、君を死なせたりなんかしないから……ね?」


その言葉は、まるで呪いのように私に纏わり付いて離れない。
普通の人はそんな事を言われたら飛び上がって喜ぶのかもしれないが、死にたい人間に向かって死なせないと言うなんて酷い、折原さんは本当に酷い。
ああ、なんて傲慢な人なのだろう。
きっと折原さんは、私がどれだけ嫌がっても、足掻いても、泣いてもー笑って私を連れて行く、そんなタイプの人間だ。

ーだったら……

私は覚悟を決めた。


「分かりました。宜しくお願いします」


こうして、私と黒ずくめの情報屋の同居生活は、幕を開けたのであった。

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