「ね、ねぇ、シン君」
「ん?」
シンが振り返ると普段より更にオドオドしているピアンがいた。
「どうしたんだ?」
「あ、あのね、お菓子……」
「食べたい?」
「ううん。一緒に、つっ……」
「つ?」
「…………つ、作っても、いいかな?」
「いいぜ!」
「ホントに!?」
「ああ!」
「あ、ありがとう」
そう言ってシンの隣に立つとピアンは黙ってシンを見た。
「シン君の、アレンジはすごいよね」
「そうか?ピアンだってすごいだろ」
「わ、私はダメ!全然ダメなの!」
「そんなことねぇよ。この前ピアンが作ってたクッキー。あれに何入れた?」
「えっと、オタオタゼリーをゼリー状のままで、それにいろんな味をつけたものを……」
「すげぇじゃん。俺なら絶対思い付かねぇよ」
「オタオタゼリーは、ただのグミにしちゃう以外にいろいろ使えそうだったから……」
「ピアンも十分お菓子作り上手いって!」
そう言ってシンはピアンの頭を撫でた。
「あ、ありがとう、シン君」
少し赤くなりながらピアンが笑った。
すると突然、ドアが開いた。
「シーンー?」
「あ、フロアちゃん」
「え、フロア!?」
「テメーピアンに近付いてんじゃねーよ!!」
そう言ってシン目掛けて大剣を降り下ろした。
「ちょっと待った!なんでそうなるんだよ!?」
間一髪で避けたシンが慌てて叫ぶ。
「ゼロスから聞いたんだよ!シンがピアンを口説こうとしてるってな!」
「ゼロスー!!」
「あんま信じてなかったけど、事実だったからな!ウチは見てたぞ!」
「普通に喋ってただけじゃねぇか!」
「頭撫でたりしねーよ!」
「あ、あの、フロアちゃ「別にいいじゃねぇか!」
「フロ「問答無用!」
「フ「危ねぇ!!」
「……フロアちゃん!!」
「……ピアン?」
「今のピアン!?」
「シン君はいい人だよ!一緒にお菓子作ろうって私が言ったの!」
「え、じゃあホントに……」
「シン君はそんなことしないよ!」
「……シン!」
「なんだよ」
「わ、悪かった、な!」
「…………フロアも可愛いよなー」
「かっ!?」
「口が悪いのがもったいねぇよな」
「う、うるせー!じゃあな!ウチはゼロスにちょっと用が出来たから!」
そう言ってフロアは大剣を担いで走り去った。
「お疲れ様、シン君。早く作ろう?」
「そうだな……」
その時、遠くでゼロスの悲鳴が聞こえた。
「……ゼロス君とはもう会えないかもしれないね」
「……それで、いいんじゃねぇか?」
「……気を取り直して、お菓子作ろうか」
「そうだな!」
戦ってるよりお菓子作ってるシン君が大好きです!←
シン君とフロアの共通点はゼロスと仲良いことかなと思ったのですが、なんだかヒドい扱いで終わりました……
私ゼロス大好きですよ!←
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