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A

「ん……」

「気が付いたみたいですね」

「ルキ……僕は一体、どうして」

「ひ、貧血かなんかじゃないでしょうか!」

「そうか……?」

「そ、それよりリオンさん!何をしに来られたんですか?」

「……わ、わかってるだろ、ルキ」

「あ、ムヨですか?」

「なっ……声が大きい!幸い聞いてなかったみたいだがもし聞かれていたらどうするんだ!」

「聞かなくてもわかるからだと思いますよ」

「僕がわかりやすいわけないだろう!!」

「やあ、リオン。今はムヨはいないぞ」

「な、何を言ってるんだ?アル」

「よっ!リオン!ムヨなら今いないぜー」

「だから何故だ!!」

ルキはいろんな人に言われるリオンを見てクスクス笑っていた。

「じゃあ何しに来たのよ?」

「うっ!」

ルーティにそう言われると言い返せなくなったリオン。

「……………………る、ルキと話をしに、だ」

「どっちにしろ女目当てなんじゃねぇか!」

「違う!」

「あ、違いますよリッド!リオンさんはムヨのことを私に相談しているだけですから!」

「ああ。わかってるって」

「よかった」

「ちょっと妬けるけどな」

「もう!」

「イチャついてないで僕の話を聞いてくれ」

リオンも目を覚ましてみんなで騒いでいると勢いよくドアが開いた。

「「カノンノ!!」」

「み、んな!大変なの!ムヨが、ムヨが……」

フラッとバランスを崩して倒れそうになるカノンノ。

「大丈夫か?」

そんな彼女をレッドが受け止めた。

「あ、ありがとう、レッド」

「ムヨがどうしたんだ!?」

「一緒じゃなかったのか?」

「それが……途中でウィダーシンにさらわれてしまったの!」

「ウィダーシン!?」

「なんでアイツが!!」

「わからない……どうしよう、レッド!もしムヨがヒドい目に合わされていたら、私……」

「カノンノ……」

レッドが泣きそうなカノンノの頭を撫でた。

「大丈夫だって!アイツなら自力でだって帰ってこれる!強いからな!それに……」

「レッド……?」

「俺が必ず助けてやるよ!だからカノンノはゆっくり休んでいてくれ」

「……うん、ありがとう」

カノンノが笑ったのを見るとレッドはみんなのほうを振り返った。

「先輩!チェスター!セネル!」

「ああ」

「わかっているわ」

「行こう」

アルも自分の仲間のほうを向いた。

「僕たちも行こう。いいか?アーチェ、スタン、ティア」

「もちろんだ!」

「しょーがないわねー」

「具合が悪そうだが……大丈夫か?ティア」

「そんなことないわ」

「具合が悪いのであれば無理をしなくていい」

「平気よ」

「なら、来てほしい。僕にはティアが必要だ」

「……ええ、もちろん」

ティアがとても嬉しそうに笑ったのをスタンだけが見ていた。

「私たちも行きましょう!リッド!ジーニアス!ルーティ!」

「ええ!もちろんよ!」

「僕だって!」

「ああ!」

「リオンさん達は……あら?」

ルキがキョロキョロするとリッドが思い出したように言った。

「アイツらならウィダーシンにさらわれたってあたりで出てったぞ」

「なんで止めないんだよ!アイツら戦力なのに!」

「しょうがねぇだろ!」

「仕方ないですね。まあ、大丈夫でしょう!」

「よし!行くぜ!」

「ああ」

「みんな、気をつけて!」

カノンノが言うとレッドがポンッと頭に手を置いた。

「任せとけって!」

「……うん!」

すごい人数で彼らは宿屋を出て行った。




まだまだ続く!



















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