貴重な言葉/圭一甘夢 会話だけ
「ねー圭一、好きって言ってよ」
「何でだよ」
「言って欲しいから」
「言えるかよ」
「付き合ってるんだから言ってくれたっていいじゃん」
「あのなぁ…。恥ずかしいんだよこっちは」
「私のこと好きじゃないんだ」
「ばっ…なんでそういう結論に辿り着くんだよ」
「だって好きだったら好きって言ってくれるでしょ、普通は」
「残念だな、俺と周りの常識は違うんだよ」
「残念じゃない、今から統一しなさい。周りと合わせなさい!協調性協調性」
「習いたての単語を使うんじゃありません!というか使い方間違ってるからなそれ」
「私のこと嫌いなの」
「嫌いじゃねぇよ」
「じゃあ言いなさいよ。ほら会話を続けて。嫌いじゃねぇよむしろ……」
「………」
「黙るな!」
「嫌いじゃないの反対っ」
「反抗するんじゃねぇ!先生のとこ行ってカレーの悪口言ってました圭一君がって、言ってない話をでっち上げるぞ!」
「それはやめて下さい!」
「二人ともさぁ、もうすぐ授業なんだけど…もうすぐ先生来るんだけど、もうちょっと静かにしなよ。場所わきまえなよ。皆怖がってるよ」
「魅音は黙ってて!これは私と圭一の問題なんだから!!」
「あるぇー」
「圭一、言いなさいよ言わないと悟史君と付き合っちゃうから」
「なっ…。いや、自惚れんなよ。お前はよくても悟史はお前のこと好きじゃねーから付き合うなんて無理無理」
「いつでも待ってるよ、名無し。というか今来て」
「悟史!?裏切んなよてめぇ!」
「さぁどうする」
「……ぐっ」
「口先の魔術師もここまでね、っぷ」
「笑うんじゃねぇ。男なめんな、口先なめんな!よし、言ってやるよ、言ってやんよ!」
「やったー」
「いくぞ…言ってやるぞ…俺は男だ前原圭一クールになれクールになれクールになれ
………………」
ガラッ
「皆さん、授業を始めま「好きだぁああああああああああああああああああああ!」
シーン
「カレーが」
ぼそ。
「!?」
「前原くん!?今カレーが好きだといいましたね。わかりました。人目も気にせずにカレーの思いを叫ぶなんて私心打たれました。というわけで授業なんか放って今から私とカレーについて語り合いましょう。職員室でね、皆さんは自習しといてください。
まずは作文50枚分カレーについての意見を述べそれから…」
「あー!?何故こんなことにー!誰だ最後にカレーってつぶやいたやつうううううう」
ガラガラ
ピシャン
「あーあ、圭ちゃん行っちゃったよ。せっかく叫んだのにね」
「はぅー、真っ赤になってる圭一くんかぁいかったよぉ」
「これで満足なんじゃない?名無し…って、あれ?名無し?」
「は、はい!?」
「どうしたの?」
「い、いやぁ。別に」
「アンタ…自分から言いなさいよって詰め寄っといて」
「は!?別に恥ずかしくないし!なめんなし!」
「耳まで真っ赤なんですけど」
「!?」
「ぷっ…あはははははは!」
「だ、黙れ魅音〜〜!」
終わり
*前*
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