[携帯モード] [URL送信]
解決策/すもも/半蔵 微甘
わかっていると言えば、わかっていない気もするけど。





ざぁざぁ降る雨音が私の耳に入ってきて
気づけばもうそんな時期なのかと、不思議と、私の心を締め付けられていた。

何故?

わからない。

湿っぽい空気は嫌な気分にさせ
気分転換と思い教室から出てみたのはいいけど何もすることはなくて。

一人ゆっくりと歩く足音は、寂しさを増すだけだけのものだった。


「名無しさん」

「半蔵」

そんな気分に似合わない男が一人。
私を見つけてやってきた。

「どうしたんですか」

「雨だから、変な気分で」

「変って、どんな?」

「わかんないけど、心が空っぽ、って感じかな」


ひんやりと、冷えてるのよ


「半蔵にはない?」

「ないですね」

「羨ましい」


どうやったら解決する?
なんて聞こうにも、本人にはそんなことないんだから
解決策なんて見つからないに決まってる。


「ありますよ、解決策」

「え?」

「抱きしめるんですよ、僕が」


ぎゅ、と強く握られ
身体全体に熱さが伝わってくる。


「名無しさんを」





半蔵にしては大胆で
半蔵にしては

いい解決策だと思った。


「僕が空っぽを埋めてあげますよ」

「何かエロいね」

「え!?そ、そうですかっ」





解決策みーっけ。
これで雨の日はもう大丈夫。


終わり


----
梅雨の時期に書いたんですが
もう速攻で夏が来ました。
月日が流れるのが早いです。

*前**次*

20/21ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!