ぎゅっ/ひぐらし(圭一) 「今から怖い話をしようか。くっくっく」 魅音のやつ… 名無しが怖い話、大の苦手だってこと知っててやってるな。 名無しはもう震えている。 「おい、震えるにはまだ早いぜ」 「ああああ!?う、うん!そそそそそうだね!?」 …これだけ怖がってるなんて。かわいそうに思えてきた。 「魅音〜、そんなことしたら名無しがぶっ倒れるぜ?」 「レナもそう思うな…」 レナは怖がるかなと思ってたらそんなにも怖がらなかった。 むしろ楽しそうにしてる。 梨花ちゃんは…笑ってる。ある意味梨花ちゃんが怖い。 沙都子は梨花ちゃんに引っ付いていた。 「り、梨花ぁ」 「にぱー☆」 …最強だな。梨花ちゃん 「ってなわけで、これから怖い話に入る! 私から始めるよー、まずねぇ…むかーしむかし」 おい、それ昔話じゃないのか? 「あるところにー!おじいさんとおばあさんがいました!」 ニヤニヤ笑っている。ああ、ひっかけたな。 名無しはそれに気付かずずっと震えていた。 「おばあさんが川へ洗濯に行きますと…なんと…なんと 桃がぁあああ!?」 「きゃああああ!?」 桃が流れてくるだけだろ! 突っ込みたいけど、後で魅音に何されるかわからない。悪いが名無し、自分で気づけ! ってあ。 「流れてきましたぁあああ!?」 「圭一助けてぇええっ」 名無しが俺のところに近づいて、腕を掴んだ。 …ちょっといいかもしれない。 こ、これは… 何気に抱きしめても怒られないんじゃ。 は…はぅ〜 お持ち帰りぃいいいい! 「はぅ〜、圭一くんっ。何してるのかな!…かな?」 げっ、オヤシロモードのレナ! 「名無しを襲おうとしてるわけぇ? 流石にそれは駄目なんじゃないかなー、前原圭一くんっ?」 み、魅音…! 「にぱー☆」 り、梨花ちゃ ぎゃあああああああああああ! この日、この部活で一番びびったやつは俺だった。 終わり *前**次* |