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永久の忠誠を

今日はボンゴレとその傘下、友好関係にあるマフィアをメインとしたパーティー。
とは言っても、そういう関係を望んでいる者達も構わず受け入れてしまっている為、会場は結構な量の人に埋め尽くされていた。

ジョット様は本当におかしな方で、安心出来る仲の者もそうでない者も、こんなに人が居る場に詰め込むなどという事をしてみせる。
そんな事をすれば、ここに居る誰に命を狙われてもバレにくいだろう。
そしてそれが内部の者だったとしても、外部の者を犯人に仕立て上げるのも容易。
まったく、ジョット様はもっとご自分の立場をよく考えて頂きたい。……なんて、言わないが。

けれど、こういう場に沢山の護衛を引き連れてくるのはよくないということで、護衛は私と霧のリングを渡された子の二人だけ。
この子は確か、ジョット様がボンゴレを作られたばかりの頃に拾われた、最初のファミリーだと聞く。まだ幼いながらも、その実力は良く知れ渡っている。
実のところ、まだ余り関わりがなく、噂を聞いたり姿を見かけたりする程度だった。

しかしながら、今日会って彼の印象は大きく変わる。
聞いた噂はあまり良いものをではなかったのだが、彼はきっとただジョット様をお守りしたいだけなのだろう。
それが恩返しなのか、どこぞの王様でさえ下に就く程のカリスマ性によるものなのか、それとも全く別のものによるものかはわからないが。

「お疲れさまでした」
「よくぞご無事で」

パーティーも終わりを告げ、最後の挨拶をすましたジョット様は少し後ろに居た私達の所へと戻ってきた。
その彼へと嬉しそうに声を掛けたクロームの後につけて、小さな嫌味を投げる。

それさえも笑って流されて、少しばかり腹が立つ。
だって実際、あの中にジョット様の命を狙う者が居なかった事は驚く程の確率だろう。
しかもあんなにも人が居れば、犯人捜しも楽ではないし、守るのにも神経を使う。
自分が死ぬかも知れない場を、何故笑って設けるのか、せめてもう少し小規模なものにするとか……言いたくても、言えないのだけれど。
だからこそ、腹がたつのかも知れないとは解っているが……

たたたと駆け寄ったクロームはジョット様に外套を手渡し、微笑む。
ジョット様もそれを受け取ると、微笑み返して頭を撫で、外套を羽織る。
私はそれを眺めているのだけれど、もしもそれがクロームに扮した違う誰かだとしたら、貴方はどうするのだ。
あれだけ人が居たのだ。入れ替わることも不可能とは言い切れない。
そして貴方が外套を羽織っている所で、あなたを襲ったらどうするのだ。
まったく、この方を守る時は精神が可笑しくなってしまいそうだ……

「どうした、ルナ」
「・・・いえ。クロームが優秀で、貴方を信頼していて良かったですね」

小さくため息を吐き、歩き出した彼らの後を行く。
しかしながらジョット様は私の言葉に立ち止まられ、不思議な顔をして首を傾げる。
横に居る子の頭を撫でながら、それはもう、不思議そうに言ってのけたのだ。

「私が信頼しているのだ。当然だろう?」

まったく、返す言葉もない。
一方が信頼しているからと言って、相手からも信頼を寄せられる保証など、ないだろうに。
それにはこっちが驚きを抱く。
しかし彼はふわりと微笑み、付け足したのだ。

「ルナのことも信頼しているぞ」

・・・何故だろう。
そう言われると、もう怒れないではないか。
まったく、迷惑な御方だ……

  − − − − −
子供を二人だけしか護衛に付けていなかったジョット様や、子供達の事を陰口を叩いていた人達にも腹が立っていたルナ君。
けれどそれでもその場で騒ぎを起こせば、それはボンゴレやジョット様の評判を落とすことになるので、何も言えなくてイライラ…みたいな

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