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Long 『ONE PIECE』

限界まで手を伸ばした時、誰かに手を掴まれた。
ああ、良かった…

「あり、がと…」

引き上げて貰って、礼を言いながら体勢を整える。
誰に助けられたのかを調べるべく顔を上げれば、そこには角の生えた大男…いいなぁ。背ぇ高……

大男がこくんと頷いたのを確認して、俺は思い出したように慌ててみんなへと視線を戻す。
ざっとみんなに目を通すと、弾く様にして顔をあげながら大男に詰め寄った。

「仲間が…!!」

言えば、その人はみんなを担いでスタスタと行く。
みんなを連れ去る気なのかと慌てる所なのかも知れないが、なぜかあの大男からは大した敵意は感じない。

俺は彼の後をついて、城に入った。
振り返りも返事もしない大男は人見知りなのかと小さく首を傾げながら。

奥へと行けば、ヘソ出しルックの元気そうなおばあさんが出てきて、みんなを診断してくれる。

あの大男君(チョッパーと言うらしい)はちっちゃくなっちゃって、ずいぶんと可愛らしい。
なにこれ、ぬいぐるみにして売ったらバカ売れじゃね?

なんて思ってたら、気絶してたはずのルフィがおばあさんの腕を力強く掴む。

「仲間…なんだよ…」

寒さに凍えていて、聞き取り辛いけど、ちゃんと解る言葉。真剣な目。
・・・ああ、仲間っていいな。
なんて他人事のように思ってしまう。
あれ、他人事じゃないのか?どうなんだろ?……ま、いっか。

「分かったよ。助ける…」

ルフィに言うおばあさんの顔はどこか優しげな瞳……意外と、優しそうだ。

その後、二人はみんなをきちんと治療してくれた。
なんか、治療方法?が凄い。





「ほら、アンタも背中見せな」

「え?」

みんなの治療が終わって、みんなをそれぞれ寝かせた後の事だった。
寝かせたと言っても、皆気を失っていたからベッドに運んだだけなのだけれど。

オレも休ませて貰おうかと思って空いているベッドを探していたら、ふいにおばあさんに声を掛けられたのだ。

「治療だ」

「…みんなは?」

「安心しな。大丈夫だよ」

「ありがとう」

言えば、俺は指示通りに服を脱いで手頃な所に腰をかける。
みんなの治療が終わってからでよかったんだ、俺は。
っていうか、既にもう痛みなんて麻痺してきてるし……治療なんていつでもいいや。

・・・ていうか、ばれない自信があったんだけどなぁ。

雪崩に遭ったあの時。
防御が一瞬遅れて、巨木に背を叩きつけられた。

骨とか折れてそうないやーな音がしたけど、念で色々誤魔化しながら騙し騙しここまで来た。
気が付いたら手足が動かなくなる程の寒さで痛覚なんて麻痺していて、それも忘れてたのだけれど。

俺は、治療の途中に、気絶か眠ったのかは分からないけど…意識が途切れた。

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