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Long 『HUNTER×HUNTER』

懸賞の街アントキバとはよく言ったもので、街を歩いているとあちこちに○○をしたら△△プレゼントだとかの宣伝がある。
そこらに張られていた張り紙の1つに、見知った2人の写真が混ざっているのを見つけて思わず引っ剥がして持ってきてしまった。

「9月の月例退会ではキルア、ゴンの両少年が優勝争いを行った。…商品は真実の剣、だってさ」

勝ち誇った顔で笑っているキルアと、どこか悔しそうに手を振るわせているゴンの写真に頬が綻ぶのを感じながら、続きは声に出さずに読み上げた。

毎月15日にやっているらしいそれに、二人して参加した訳だ。
・・・その後狙われてないと良いけどな;88って事は指定ポケットカードだろうしな。

「ほら、ヒソカ。ゴン達のってるよ」

ひとしきり読み終わったそれを、未だに覗き込んでいたヒソカに渡してみると、そのまま続きを読みふけっている。
やっぱ、ゴン達気になるんだ…

いいけど、いいけどさ…
なんとなく、俺に構わなくなったのが不愉快で、空いている方のヒソカの手を取って繋いでみた。

紙から俺へと視線を移したヒソカと目があって、ちょっと照れくさくなって顔を逸らしたら、くしゃっと頭を撫でられた。

なんか満足そうだったヒソカのその顔をどうやってもを止めさせられそうになくて悔しい。
むすくれた顔を見られないようにするのが精一杯だったけれど、それでさえもヒソカにはばれてるんだろう…

「あーあ…ゴンとキルアどこに居るんだろ」

「さあ、ね」

妙に楽しそうに笑ったヒソカは、そのまま紙を投げ捨ててしまった。

まあ、見ていれば解る。
ヒソカも2人の成長ぶりを直に見てみたいのだろう。

あんな写真だけじゃ、全然解らない。
それに念能力者しか居ないここでは、きっとすぐに成長するだろうし…楽しみだ。

こっちの世界の金、とりあえず欲しいなぁ…
殺して奪うのもなぁ…やっぱ、脅しときますか?どうでしょう?

でも折角ゲームな訳だし、それらしくイベントをこなしつつ、敵倒してレベルアップ!みたいなのも暇がつぶせそうだ。
まあ、除念師を見つけてからだろうけどさ…

まずどうしようかと辺りを見渡していたら、ネコの看板が揺れている食堂みたいな雰囲気のお店が目に入った。

特大大盛りのスパゲティかな?を30分居ないに完食したらタダで、カードをくれるらしい。
けれど!そのスパゲティの量が半端ない。顔よりでけぇよ…

「ヒソカ、あれ食べれそう?」

「食べたいの?」

「うんにゃ?」

話してる間に店を通り越してしまって、なんとなく中を覗きながら通り越した。

美味しそうだけど、あんなに食べたら逆に飽きそうだし…
どうせやるならもっと面白そうなイベントに参加しておきたい。

フラフラと街を進むけれど、どの店にも壁にもべたべたと懸賞の宣伝が続いている。
ふと、再びさっきと同じ様な食べられたら〜系の紙を見つけて、内容を確認してみる。

「お。こっちはアイス10種(約2kg)を30分以内だってさ」

「アイス、ね」

「うん。やろ♪」

「はいはい」

ぐいぐいとヒソカの手を引いて店の中に入ると、基本は菓子店なのか、可愛らしい内装に一瞬気が引けてしまう。

けれどそれ以上に、アイスがタダで2kgの誘惑の方が遙かに勝って、さっさと空いている席について、挑戦する意を告げた。
しばらくすると、大皿に盛られた10色のアイスが持ってこられた。

真ん中にバニラで右にストロベリー、時計回りにブルーベリー、オレンジ、メロン、チョコ、レモン、ソーダにピーチ…

「うまvV」

溶ける前に食べてしまいたかったから、俺は大急ぎで食べていった。
けれど、キンキンに冷えたアイスをコーンやウエハースもはさまずに食べたから、後半は舌が麻痺して痛かったとは言うまい…

「ごちそーさまでした!」

ぱんっと手を合わせてご機嫌に声を上げると、店員も他の客もびっくりしながらこっちを見た。

それもそのはず。
自分の分は10分足らずで完食し、ヒソカの分にも手を出したからだ。

っていうか、ヒソカのもほとんど食べちゃった☆

「アイス食ってカードゲットとか、幸せだーv」

ランクはEだったけど、アイス美味かったから良し♪

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