Long 『HUNTER×HUNTER』 20 「えー…これより会長が面談を行います。番号を呼ばれた方は2階の第1応接室までお越し下さい」 そんなアナウンスが飛行船内に響いた。 継いで呼ばれたのは44番。ヒソカだ。 順番に、呼ばれるのかな… 俺は、考えていた。 さっき、窓から外を眺めながら話していたゴンとクラピカ。 少しだけ、聞こえたけど…俺は声を掛けられずにそのまま立ち去った。 適当なイスに座って、深く深くため息を吐いた。 最近の俺、おかしいよ。 ヒソカに対する感情も、ゴン達に対する感情も…俺は知らない。 なんで、あんなに気になるんだろう… 「101番の方、お越し下さい」 ああ、呼ばれちゃった。 俺は頭を振って、考えていた事を取りあえず頭から追い出した。 「和室だー」 第1応接室というのに入ってみたら、純和風の室内に警戒もせずに座っている会長。 俺は会長に促されて、向かいの座布団に座る。 「さて。まず、何故ハンターになりたいのかな?」 質問? アンケートみたいなもんかな? 「特に、理由はないよ。楽しめるかなーくらいで」 何か意味があるのかな? 会長は何も悟らせないような、そんな顔だ。 「では、おぬし以外の9人の中で注目してるのは?」 注目… 誰に、してたかな? 俺は首を傾げながら、今思う事を言ってみた。 「44と294は強そうだよね。ゴン達4人は…あまり、関わりたくない、けど…」 語尾を濁して、視線を外す。 自分でも、解ってるんだ。 「けど、何じゃ?」 「ぅ…その、なんか気になるんだよね。だから、俺は関わりたくないけど、傍に居たいとか思って…」 ああ、何を言ってるんだ俺は。 俺は次の質問にいって、とお願いした。 これ以上、俺にアイツ等の事を考えさせないでくれ。 「まあ、よい。では最後の質問じゃ。9人の中で、今一番戦いたくないのは?」 「それ…も、ゴン達4人かな。どうせ戦うなら、強い方が…楽しい、し」 俺は言い終わるが早いか、さっさと逃げるようにして出てきてしまった。 だって、おかしい。 強い奴と戦うのが好きな俺は、アイツ等が育ってから倒したいにきまってるじゃないか。 なんで、言えなかった…? [*前へ][次へ#] [戻る] |