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Long 『HUNTER×HUNTER』
19
すっと、背後に見知った気配…マジでか;;

旅団のみんなが気付く前に、俺はすすっと下がって彼らに声を掛ける。

「何を、している」

額に手を当ててため息を吐く。
旅団の連中を見失いたくないのか、話した直後にもまた足を動かす2人を追う。

暫くしたら、気付いたらしい(にしては何か可笑しい気がする)みんなが何やら話して、二手に分かれた。

クロロ、マチ、シズクが振り返る瞬間、素早い動きで2人は左右の物陰に隠れる。
俺はそれにあわせて俺も隠れよう押したけど、上手く誤魔化せるかも…と、動こうとした足を止めた。

「ごめんごめん。俺が追ってたんだ」

後ろ首を掻きながら苦笑して手を振れば、少し考えたようなクロロがすっと後ろに視線をやる。
やっぱり、不味かったか…?

「2人、隠れているだろう」

「んー…おいで、炎狼」

少し声を張り上げれば、団長を追わせていたフゥと、クラピカを追わせて居たイチがばっと俺の左右に飛んでくる。
俺はそれを確認すると、にこっと微笑む。

「この子達じゃない?」

それでも納得してないみたいで、マチとシズクにまた問うている。
あー…やっぱり、ダメだよなぁ。

どうしようか、と考えた時。
ゴンがゴミ箱の影から飛び出して、両手をあげた。

「ごめんなさい!!もう追っかけないから、許して下さい!!」

ん、ああ。そう言う事か。
クラピカの近くにキルアが来たのが解って、俺はなるほど、と少し口元が緩んだのを感じた。

「またこのコ?」

「こいつか、例の子供は」

「もう1人いるだろ。出てきな」

すっとさっきまでクラピカがいた場所からキルアが出てきたのを確認すると、俺は旅団の方へと向かっていって、あまり話してないシズクに声を掛ける。

「シズク。俺、ノブナガ達を追うね」

「うん。わかった」

こくんと頷いたシズクを見届けると、ゴン達へと意識を向けている2人に、取りあえず一言。
少しだけ脅しの意を込めて。

「ゴンとキルアには、手を出すなよ」

返事をしないのは予想してたことだから、俺は小さなため息を吐くだけで受け流す。

チラッとゴンとキルアを見たら、俺が旅団かもしれないと少しでも思ったのか、複雑な表情。
俺は苦笑しながら、取りあえず手だけ振っておいた。

とは言え、借りにも幻影旅団。
俺が全力疾走した所で、そう簡単には追いつけない。

恐らく、でしか方角が分からない俺は辺りを見渡しながら走っていた。
少ししたら前から大量の犬が走ってきて、俺は彼らに駆け寄った。

それはそう滅多にお目にかかれるようなものではなくて、明らかに可笑しいと言える状況。
そして、現状で可笑しい事が起こるとしたら十中八九、旅団に関わっているだろう。

逆方向へと走っていく彼らの様子を少し窺ってみる。
何かに命じられでもしたのか、全ての犬が動きを止めようとしない。

優秀な犬の訓練師、なんて言葉が頭をよぎるが、そんなものだけではくくれない気がする。
操作、されてるとしたら…?

「念能力者が、居るって事か…!」

俺は犬達とは正反対の方へと走り出した。

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