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Long 『HUNTER×HUNTER』
13
あの後ノブナガにくっついてったら、旅団のみんなが沢山の箱と一緒に居た。

「へーぇ…これ、全部盗んだんだ」

段ボールを覗いてみたら、どうやら競売品と一致するものばかり。
ってことは、やっぱりというか何というか…
コピーを作る能力?みたいなものを持ってる人が居そうだなぁ…

携帯を弄っていたヒソカの後ろから携帯を覗き込めば、クラピカに連絡を取ろうとしていたらしい。
情報でも流してるのか?

「ふぅん…」

「っ…何覗いてるんだい?」

また意図を読み取らせない笑顔で、携帯を隠してしまったヒソカ。
そのまま俺の顎をとって接近してくる旅団ヒソカ顔に、素直に呆れてたら…良い事を思いついた。

「マチー助けてー。変態に襲われるー」

「は?…何やってんだい」

大して困まってない風に言えば、マチは持っていた缶を投げてきた。
それを受け止める為に一瞬離れたヒソカの手をはたき落として、マチの方へと走り寄った。

「何飲んでるの?」

言えば、近くにいたパクノダから同じ様な缶を渡される。
まあ、想像通り。お酒でした。

「ところで、俺が言うのも何だけどさ…俺ここに居ていい訳?」

ノブナガに付いてきたとは言っても、その気になればノブナガだって俺を撒くくらい簡単にできるはずだ。

それにも関わらず、盗んだ物とか、旅団全員がいる場所まで俺について来させて。
打ち上げ?の酒を飲んでる場にまで混ざっているのだ。

まずくない?

「まずくなたら殺ればいいね」

「あー…ですね」

まあ、そう言う事なんだろうけども。
なんで、今は殺さないのか…って事を聞きたかったのに。
団長も気にした感じはしない。

「ま、いつでもどーぞ」

俺は諦めた、とばかりに微笑しながら、適当に段ボールの上に腰を下ろすと、受け取った缶を開けて一口。
乾いた喉に心地良いヒンヤリ感。

まあ、今はこっちの連中の成功でも、喜んでやりますか…





翌日解った事なんだけど、みんなの身代わりかコピーかなんて解らないけども、無惨な姿になった旅団の死体姿がネットに出回った。

俺はあの後、旅団のメンバーがアジトに戻る際にそのまま別れた。
なぜだか、それさえも彼らは咎めない。

俺は肩すかしを食らって、継いで余計に言えないと思った。

信頼されてる、とはほど遠いとは思うけれども、殺されなかった。
それだけで、俺がすべてを話さない理由にはなる。

そして、適当にパソコンが使える建物に入ってアクセスして、解ったのだ。
みんなが、殺されたという嘘に。

にしても…
偽物だと解っていても、ついさっきまで共に居た奴の顔でこんな風になってるかと思うと…

どこか、不愉快だ。

「はぁ…」

プッツンと本体ごと電源を消したら、さっきまで移っていたグロいそれは消えてしまう。
真っ黒になった画面を見ながら、俺はため息を吐きつつ、伸びをした。

柔らかい椅子の背もたれがギシッと軋んで、俺はくるっと回転させてそのまま立ち上がった。

どうしよっかなぁ…
どっちかだけの味方が出来そうにない俺は、誰と共にも居ない方が良いのかなぁ…なんて。

思いながら俺は欠伸をして、その建物から出る事にした。

近くの店で適当に見つけた果物とパンを買って、食べながら歩く。
ついつい買いすぎてしまって、俺の手には大きな紙袋が抱かれたままだ。

行く場所なんてなくてとりあえず適当なベンチに腰を下ろし、炎狼を呼び出すとパンを一つあげる。
はぐはぐと元気よくパンを食べる炎狼を眺めていたら、ぽつりと零れた言葉。

「お前は…どうしたい?」

俺に決められないのなら、人の意見を聞いてみるのもありだろう?
それが例え、元は俺から生まれたものだとしても。

「んぐっ…うんと…俺は、難しい事…わからないよ」

「そっか…ごめんな」

ふるふると首を振って、またパンの残りを食べ始めた炎狼の頭を撫でて、考えた。

ふと、胸の辺りに鈍く光る鍵を発見。
まあ…あいつなら、少しは話しを聞いてくれるかな?なんて。

胸に下がっていた鍵の使い方が解らないから、とりあえず前に差し出して捻ってみる。
カチッと音を立てて空間に扉が生まれて、辺り一面の桜が目に飛び込んできた。

・・・あってたみたい?

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あきゅろす。
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