Long 『HUNTER×HUNTER』
3
俺が買ったのは二つ折りのケータイで、ビートル07?よりは機能が少し少ないけど、十分な機能だと思う。
俺の居た世界ではこんなに凄い機能は、滅多に無いと思うしね。
ゴン達のは一つ20万だったところを、レオリオが11万580Jにまで値切った。凄いなぁ…
まあ、レオリオは同じのを8万ちょいで買ったらしいけど…
俺のはそれよりも少し安い物だったけど、まとめて買ったから、同じ位の値段で買ってしまった。
ちょっと、悪い事しちゃったかな…
みんなが話してるのを聞きながら、ケータイを不思議そうに眺めていた。
元の世界のと見た目は変わらないみたいだけど、どうやってこんなに高性能にしてるんだろ…?
ふと、念の話しになったと思ったら、レオリオも覚えた、と言った。
いつの間に…
ゴンに買ったら300万のダイヤをあげるなんて言えば、ゴンの腕を知らない連中はぞろぞろと寄ってくる訳で。
1人1万で挑戦できるとなれば、こっちはぼろ儲け。
「レオリオわるーい」
「るせっ」
小声でからかうように言ったら、レオリオは簡単に誤魔化していった。
暫く見てたら、急にゴンに負けたヤツが俺やキルアを指差してレオリオに話し出した。
「アイツ等が相手じゃダメなのか?」
俺とキルアは顔を見合わせた。
ふと、話し出そうとしたキルアとレオリオを制して、俺が一歩前に出た。
「良いよ?」
用意しておいて良かった、予備の机ってね♪
裏方に置いておいた予備用の机を引っ張り出して、俺は少し間を開けて、ゴンの横に座った。
「いいよ、おじさん」
にこっと笑っていったら、おじさんは少し照れて座った。
髪も、こういう時は降ろしておいた方が得だよね♪
・・・まあ、女と間違えられるのは不愉快だけども。
利用できる物は利用してやる。
レオリオが俺の方も紹介したら、ゴンの列の後ろの方に居た奴とかが流れてくる。
「痛く、しないでね?」
俺はわざと見上げて、弱々しく言った。
だって、手が着いたら痛いし、負けちゃうじゃん。
ま、やれる気はしねーけど。
つまんなーい。
あまりにも弱い人ばかりで、飽きてきてしまう。
ゴンの事をお客は疲れてきてるって言ってるけど、そんな事はあり得ないと思う。
まあ大方、ゴンの事だから罪悪感でも感じてるんじゃないかなぁ…
なんて苦笑しながら、バンッと腕を倒してしまった。
あー…
ゴンの方に気を取られてて、演技忘れて圧勝しちゃった☆
「おーっと!初めて女の子が挑戦だ!!」
へぇ…どんな子かな?
ちらっと横目で見たら、眼鏡掛けた黒髪ショートの女の子。
可愛いカンジだし、大人しそうな見た目だけど…なんか違和感。
凝を使ってみたら、やっぱり。
念が纏われている。
机が悲鳴をあげた辺りで、彼女は力尽きたみたい。
「今の…本気だったろ」
「うん。何者かな、あのコ」
ひそひそとお客さん達には聞こえない程度で話す2人に、俺もすすっと近寄って聞き耳を立てる。
「腕相撲の女世界チャンピオンじゃねー?」
「否、さすがにそれは…」
俺は苦笑しながらも、頭に浮かんだ事を2人には言わないでおいた。
もしかしたら彼女は蜘蛛かも知れない、なんて…
言ったら最後。
もしもそうだった場合は、どうなったとしても良い方向にはいかない気がするし。
それにきっと、クラピカの耳にも入ってしまうだろうし。
彼女をずっと見ていたけれども、人混みの中を上手く間を縫っていたし、一目に触れないように器用に闇へと消えていった。
その器用な歩き方から見ても、その線は有力だろう。
ついでに言うと、その日の夜に見せて貰ったレオリオの言っていた念は纏の事だけだったみたい。
・・・まあ、そんな感じはしてたよね。
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