Long 『HUNTER×HUNTER』
2
「うわー!早朝なのにすっごい人だよ!!どっか見てみよーよ」
路上販売やらが沢山ある通りを歩いていたから、案の定ゴンは大はしゃぎ。
キルアは博打をしてたみたいで、1回542万から2億越えをしたみたいだけど、そこで失敗。
一転して、所持金0となったのだった。
一方ゴンはと言うと、1万5千ほどの稼ぎ。
あの後もオークションの転売で、稼いでいたらしい。
2人とも凄いなーなんて、感心していたら、さっきまで言い合っていた2人がばっと振り返って俺に問いかける。
「それよりも!ユウキはどうやって稼いだら4億が20億になんだよ!?」
「そうだよ。ユウキ!どうやってそんなに稼いだの!?」
両側から2人が俺を指差して詰め寄ってくる。
俺は困ったなぁと、頬をぽりぽりと掻きながら首を傾げた。
「いやぁ…まあ、何でも屋?みたいな事をしてたんだよね」
えへっと誤魔化すように笑ってみせれば、2人は顔を見合わせてまたこっちをみる。
俺はどうしようか、と2人に落ち着いてと両手をかざす。
「まあまあ…あ!それより、ゴンはキルアに何を頼むの?」
「え、俺の勝ちでいいの?」
俺が話しを誤魔化したのにも気付かずに、ゴンはキルアと俺とを見比べる。
俺はこくんと頷くと、ゴンに声を掛けてみる。
「うん。だって、俺は元手からして違ったし、元から2人の勝負だったでしょ?」
そう言えば、2人は顔を見合わせて頷いた。
ユウキが言うなら、という事で2人はゴンの勝ちで良いという事になった。
クラピカとレオリオの話しになって、キルアが携帯を出す。
いいなーと見てたら、携帯を買うって話しに…やった♪
店員がカード型のケータイを奨めてくる。
へぇ…こっちの世界にはそんなのもあるんだぁ…なんて感心してたら、後ろからどこか懐かしい声が聞こえた。
「それはやめとけ。使ぇねぇ国が結構あるし、防水でもねーし、完全に電話だけかける人用だ」
その声に振り返ったら、やっぱり居たのはレオリオで。
俺達は声を揃えてレオリオ!と叫んだ。
レオリオがお勧めだと言うのは、見た目が明らかにカブトムシで。
俺は冷や汗が流れる感触を感じながら、嫌な予感がする…と、2人を見ていた。
案の定、2人はすっごい気に入ったみたいで、キルアに至っては買い換えるらしい。
くるっと3人は振り返ってきて、俺に問いかける。
「ユウキはどうするんだ?」
「ユウキも、これだろ?」
「だって、コレ、すっごい格好いいもんね!」
ああぁ…断れない。
なんだ、この雰囲気は;
いや、でも…
3人には悪いとは思うけども!さすがに懐にカブトムシを入れて歩く勇気は俺にはない。
苦笑しながらごめん、と言って、もう一度レオリオに話しかける。
「機能は落ちても良いから、普通の形のが欲しいんだけど…」
「まあ、いいけどよ。それなら…これだな」
「えー!?」
うん、ごめんなさい。
みんなとお揃い☆とかもかなり魅力的だけども、カブトムシだけは耐えられなかった。
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