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Long 『HUNTER×HUNTER』

話し終わって、キルアが去っていく。
俺はそれを見送りながら、そこに残った。

「ゴンに、俺が念を使うのは良いよね?」

「何故です?」

「回復を早めるだけなら、俺にも出来るからさ?」

「・・・ゴン君に気付かれない自信があるのなら」

ため息混じりに聞こえたその言葉に、俺は全開の笑顔で返す。
遠くで振り返ったキルアに追いつくように、ウイングさんに手を振りながら、俺は走って戻った。

やっぱり、ウイングさんは優しい。
本当に、ゴンを念から遠ざける事も出来なかったもんね。

俺達が部屋に戻ったら、ゴンはベッドの上で精神を統一していた。
俺達は顔を見合わせて、床に座って一緒にする。



俺は、考えて居た。

何故なのか。
ゴン達と居ると、なんでもない物が輝いて見えたり、どうでも良い事で笑ったり…

答えなんて、とっくに出ていた。

でも、今までそんな事思わなかった。
彼らに会うまで、そんな事あり得なかったんだ。

信じられる…?

この俺が、誰かを好きなんて。
この俺が、誰かと友達になりたいなんて。











ありえない。
全治4ヶ月の怪我を一ヶ月で…!?

否、そりゃ俺も、ゴンが寝てる時とかにこっそり癒しの炎使ったよ!?
でも…それでも、ホントに2ヶ月で治るかなーとか、そんな感じだったのに!!

俺とキルアは、あっけにとられた顔で元気に動き回るゴンをぽかんと見ていた。



キルアがさっと、何かを差し出す。

「これ、なんだ?」

「チケット?」

ヒソカ戦のチケット?

あー…
今回は、ちゃんと試合するのかな?

ヒソカのチケットを初めて買った時、ヒソカは試合をサボるし、部屋に連れて行かれるしで…
ろくな事にならなかったんだ!!



「ダメです」

なんで…居るんだ;

2人が試合を見るのはいいとか、ダメとか言い合いをしていたら、どこからともなく現れるウイングさん。
・・・恐いよ(笑)

「しゃーねーな。試合は録画もしとくとして。とにかく、オレは行って観てくるぜ」

チケットが高かったと文句を言うキルアが、くるっと振り返る。
俺は少し考えて、答えた。

「ごめんな、オレも行かない。あ、かわりに後でチョコロボ君買ってあげるからさ?」

笑って言えば、キルアは少し機嫌を治して行ってしまった。

「ユウキは行っても良かったのに」

「んー…ヒソカに良い思い出はないからなぁ」

苦笑しながら、本心を隠すようにそう言葉を紡ぐ。

「じゃあ、俺は、部屋にいるから…何かあったら遠慮無く言ってな?」

「え、うん。わかった」

ゴンの無邪気な笑顔を見届けてから、自分の部屋に戻る。

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あきゅろす。
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