Long 『HUNTER×HUNTER』
3
手刀のキルアと押し出しのゴン、なんて呼ばれて二人は話題を集めていた。
そりゃあ、12歳の子供が3日間で連続6戦無傷で勝利!なんて、話題にならないはずがない。
「そしてそして!話題の二人と共に現れた、返り咲きの戦姫!ユウキ選手」
・・・だから、隠しておきたかったのに。
でも、どっちみちバレてただろうけどね!!
「姫だってよ」
「可愛い名前だね!」
「嬉しくない…」
どっかのバカ(名前も知らない)な奴が、ふと試合中に姫とか言い出して、段々と広がった戦姫の名。
・・・正体が分かったらシメるのに!!
そしてついでに過去の自分に言ってやりたい。
全身を隠したのは逆効果だ、と!その所為で細くてちっさい。つまり女だって思われたんだろうなぁ…
「レンはヨンタイギョウの一つっす。ヨンタイギョウとはシンを高め、シンを鍛える、全ての格闘技に通じる基本っす。テンを知り、ゼツを覚え、レンを経て、ハツに至る。要するにこれ全てネンの修行っす!!」
「へぇ…そこまでは知らなかったなぁ」
俺が感嘆の声を上げていたら、ゴンとキルアにじっと見られてしまった。
・・・声に出してないと思ったのに!!(笑)
俺が誤魔化すように視線を外したら、ズシの師匠がやって来た。
ああ、助け船…!
「ゴン君キルア君。昔の訓辞に「物事とは中途半端に知る事で、何も知らないよりわからなくなる」とあります」
「生兵法は大怪我の元ってやつね。でも、俺は知りたいんだよね」
ああ、逆効果…
まあ、でも…どっちみち知るんだろうし…いいかな?
「あんたがちゃんと教えてくれれば、俺も下手に我流で覚えようとはしないよ」
「はぁ…俺も、念は使えても、詳しくは知らないんだよね。一応、我流だし。教えてくれない?」
「……わかりました。私の宿へ行きましょうか」
宿に連れてきて貰って、説明して貰ったのには何か違和感。
ああ、そっか。
なんだ。
「平気だよ。あの人、優しいだろうし…」
俺の呟きに二人が振り返る。
あの人は優しい。
だから、二人が200階くらいに行ったら、見かねて教えてくれるよ。
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