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Long 『HUNTER×HUNTER』

赤い玉が戻っていった先には、釣り竿を構えているゴンがいた。
やるなぁ…ゴン。

「やるねぇ、ボウヤ」

あ、同じ事思ってたし。
俺って、やっぱヒソカと思考回路似てんのかも…

あの釣り竿いいなーとか思ってたら、追い打ちを掛けるようにヒソカも釣り竿に興味を示した。
決定打?

後ろからなら殴れると思ったのか、退けない性格なのか、また殴りかかろうとするレオリオ。
・・・あ。
あっさり殴り返されてる。カッコ悪っ!

その隙をついてゴンが飛びかかる。
でも、ヒソカには思ってる程の隙は出来てなかった。

今度はゴンの首を握るヒソカ。
あれ。ヒソカの手とゴンの顔、同じ位の大きさじゃない?

俺はゴンにターゲットを絞ったのかと思って、警戒心を露わにヒソカを見ていた。

その時、急に笑うヒソカ。

「うん。合格だ」

俺はとりあえず、少しだけ警戒心を解いてそれを見る。

ゴンに何かしたら許さないぞ、とまでは思ってないけども!
取りあえずヒソカを睨みながら。
それも意味はなくて、すぐにゴンから手を離すヒソカ。

でも、クラピカが帰ってくるのは予想外だ。

今度はクラピカに行くか、と警戒しながら見ていたら、響く携帯の音。

「は?」

思わず声に出しちゃったじゃないか!
だって!あのヒソカがあんなのを持っているとは思わないじゃないか!
・・・別に、俺が持ってないからじゃないよ?
前は持ってたけどね!こっちの世界のはねぇんだよ!

一言二言話して、すぐに切るヒソカ。
そのままレオリオに歩み寄って、肩に担ぐヒソカ。
ゴンが名前を呼ぶけど、ヒソカはもうやる気は無いらしく、殺しちゃいないなんて答えてる。

彼も合格だから、と聞こえた。
合格の基準って、なんだろね?

「どういう事!?レオリオを返して!」

「返して欲しかったら、ついておいで」

ヒソカはレオリオを担いだまま、歩いていってしまう。
俺は言葉通りについて行く事にした。
まあ、死ななかったしいっか。

こっちを一瞬だけ振り返ってみたヒソカに肩を竦めて。



ゴンとクラピカは少し遅れて来た所為で、俺が振り返っても居ない。

それを確認してから、レオリオが気絶してるのを確認して話し出す。

「クラピカも合格?」

「うん。合格」

俺はそれに曖昧な返事を返して、考える。

弱すぎずに、ヒソカに向かっていった奴は合格?

「じゃー俺は?」

「勿論、合格」

俺の時だけウインク付きで語尾にハートマークが付いてるんですけど。
俺はそっぽを向いた。
ちぇとか聞こえたけど、無視。

レオリオをそっと見るけど、確かに大したことはなさそうだ。
最初にした腕の傷と、殴られた跡だけだしな。

それと、ヒソカと居ると沢山動物に襲われる気がするんだけど。
血の匂いでかな?
まあ、全部返り討ちだけど。

「じゃぁね」

「ん」

ヒソカはレオリオを木に寄り掛からせると、どっかに行ってしまった。
俺は取りあえず、レオリオの横に座った。

「見たところ、そんなに酷くないよな…?」

レオリオを見てからふうと一息ついた。

しばらくして、終わりを告げる銃声が聞こえる。
そのすぐ後に駆け寄ってくるゴンとクラピカ。

「腕以外、大した事はないと思うよ」

俺はそれだけ告げると、他の人の群れに紛れるようにしてその場から去った。

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