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Long 『HUNTER×HUNTER』

後ろからヒソカヒソカしい感じがして、俺は振り返る。

あー!
ヒソカもサトツ走りしてる!!
いいなぁー…

じーっと見てたらウインクされて、さっきのカードを投げ返してやった。勿論、念を込めて。

まあ、そんなのも伊戸も容易く受け取られて、カードにキスをしてみせるヒソカ。
・・・やっぱり自分でつけたのか。

俺は段々濃くなってきた霧に遮られて、見えなくなったヒソカに安堵のため息を吐いた。
だって、変態なんだもん。

走ってたら前から蛾が飛んできて、俺は取りあえずはたき落としてみた。
虫、あんま好きじゃないんだよね。

後ろの方に居た、虫に対処できなかった奴は、何故か倒れた。
・・・なんで?
気持ち悪さに耐えきれず、気絶とかじゃあるまいし。

ゆっくり歩いていた俺は、あまり周りに人が居なくなったのを感じて、しょうがなく少しだけスピードを上げた。
だって、折角見学の為に速度を落としたのに、見れなきゃ意味ないでしょ。

そうすれば、恐らくレオリオに合わせて走ってたのだろう。
レオリオと、クラピカ。
それと…なんか弱そうなやつ。

奥で何かがボウッと光って、その弱そうな連中は叫ぶ。

「迎えが来たぁ」

「あの世への?」

おれが呟いたのに、誰かが振り向く。
もう、遅いよ。

光る触覚みたいなのが幾つも栄えた大きな亀が、そいつ等に襲いかかった。

なんとか避けて逃げてった奴ら。
あーあ。そっちもハズレ。

地面からなんか緑色の巨大な生物が出てきて、丸飲み。

別の方に逃げる奴ら。
足下の毒茸みたいなのを踏んで、爆発。
戦隊モノみたいな色付きの煙が出ている。

んー…思ってた程、面白くないなぁ。
その時。
辺りにトランプの雨が降る。

俺は全部はじき飛ばす。
だって、一枚だけさっきのとそっくりなのが見えて不愉快だったんだもん。

「痛ぇー!」

レオリオの声が聞こえて、俺はレオリオの方を見る。
腕に刺さったトランプ。
…痛そうだね。

笑いながら出てくるヒソカ。
やっぱ、ヒマしてたのかな?

「試験官ごっこ」

「あ、いーなー」

俺がぼそっと呟いたのが、どうでもいいような雑魚に聞こえていた見たい。
まあ、いっか。
レオリオとクラピカに聞こえてなければ。

なんか色々話してるヒソカ。
やっぱ、退屈だったみたいだ。

なんか、沢山話してるけど、ヒソカに文句を言ったやつはあっさりと殺されてしまう。つまんない。

「冥土のみやげに教えてあげる…奇術師に不可能はないの」

わあ、すごい。
じゃあ、俺の世界に行かせて下さい☆なんてね♪
帰っても、絶対つまらないから興味ないけども。

みんな臨戦態勢でヒソカを睨む。
あー…釘バットみたいなのがある。
クラピカはレオリオを庇って、戦うつもりらしい。

俺はもう少しだけ後ろに下がって、霧に潜んで眺める事にした。

だって、あのヒソカの生戦闘。
見とかなきゃ損でしょ。
結局、天空闘技場では見れなかったし。

俺は気付かれないように、気配を消して目をこらした。
他の人よりも、広範囲見える自信はあるしね。

ヒソカはカード一枚で全員を倒す、と宣言して踊り出す。

宣言通り、カード一枚で次々と倒していくヒソカ。
や、戦ってるんだろうけども。踊って見えるんだよね。

・・・よっぽど暇だったのかな?

逃げていく奴も笑いながらさようなら。
なんだろう、笑い方気持ち悪いよ、ヒソカ。

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あきゅろす。
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