Long 『HUNTER×HUNTER』
6
ヌメーレ湿原。
ここを抜けて二次試験会場に行くらしい。
・・・ていうか、地下百階まで降りて?
沢山走ったら地上、ねぇ…
徐々に地上に向かって走らされてた訳か。
サトツさんを指差して偽物だぁ!
とか言って出てくる変人。
お前のが偽物だろ。
俺は壁に寄りかかって、じろっとそっちを見ていた。
だって、あんなのに騙されるのかなって、気になるんだもん。
・・・ていうか、サトツさんじゃなきゃやだ♪
それはまあ、いいとして…
案の定騙されて動揺を隠せない受験者達。
レオリオが食いかかって、偽物は死んだ猿みたいなのを投げつける。
それがサトツさんに似てるとか言い出す。ふざけんな(笑)
それだけでは飽きたらず、地下道での走りが人間離れしてるとかまで言い出す始末…
でも、それは俺も思ったけどな。
「これってやっぱり…ハンター試験なのかな」
ゴンの一言で、冷静さを取り戻す一同。
ふむ…やっぱ、いいな。ゴン。
やべ。今の発言、ヒソカっぽい!!
またざわつく奴ら。
偽物は不意打ちを食らってライセンスカードはサトツさんに取られたとか言い出すし。
ふむ?たとえ偽物がハンターだったとしても、そんな猿もどきにカード持ち逃げされる位なら、ハンターやめろって言いたくなるなぁ?
とか、思ってた時。
何故か俺に向かって飛んでくるカード。
指で挟んでとめたら、トランプだ。ハートのエース。・・・ヒソカ。
あの、この、キスマーク?ヒソカがつけたんじゃないよな?トランプの柄だよな?
残りは偽物に刺さってるのと、サトツさんが掴んでるの。
俺はおまけか?
「ふぅん。ナルホドナルホド」
いや、こっち見て笑うなよ。
俺はカードを持っているのをばれないように、そっと隠した。
だって、他の受験者に見られたくないしね。
逃げ出そうとする猿に最後の一枚を投げつけるヒソカ。
強い方がハンター?
ヒソカ節炸裂!なんてね(笑)
俺はみんなの注意がヒソカとサトツさんに戻ったのを見て、カードを手に持った。
・・・キスマーク、本物っぽく見えるのは気付かなかった事にしておこう。
あ、俺もあれやってみたいなー、なんてふと思う。
誰も俺を見ていないのを確認して、俺はカードに念を込めてみる。
そして、カードの端に指を滑らす。
んー…硬くは出来たけど、切れ味は微妙。・・・ちぇ。
ゴンはじっと猿を見ている。
そこにサトツさんが寄ってきて、説明してあげている。
俺もなんとなく猿を見たら、鳥に群がられていた。
あ、あのワシ?いいなー…
そして、また、走っている訳だけども。
たしかに、俺も他の連中に比べれば疲れていないよ?
でもさ、無理だって。
俺は暇つぶしを考えながら走っていたんだ。
そしてふと目に入るサトツさん。
サトツさんのマネをしてみよう。
ふと、浮かんだ考え。
歩いてるみたいなので、速度は落とさない。
そこまでは出来たよ?
でも、上下左右にほとんど動かずってのは無理だった。
諦めよう。
あれはサトツさんの専売特許だ。
俺は、眺めて楽しむ事にした。
地面のぬかるみが跳ねるから、あの走り方マネしたかったってのもあるのに。
とか思ってたら、霧まで出てきた。
みんなサトツさんを見失わないように速度を上げて走るけど、俺は気にせずそのままにしていた。
だって、やっと面白くなってきたのに…これを逃す手はないでしょ?
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