Long 『HUNTER×HUNTER』
14
それから数日。
怒濤の勢いで勝ち上がってきた俺は、あの時のヒソカの部屋のような大きな部屋が与えられた。
初日は取りあえず寝ようかと、ベッドに突っ込んだ。
起きれば、中途半端な時間。
夕方とも言えないし、夜中でもない。
夕飯という時間でもないしなー…
なんて考えながらも、今日は何も食べてない事を思い出して、以前行ったカフェにでも行こうかと軽く身支度を調えて部屋を出た。
「ご注文をお伺いします」
「このオムライスと、このケーキセットで」
なんて言えば、戻っていくウエイトレス。
夜来るとまた、イメージ違うなぁ…
なんて思いながら店内を見渡していれば、こっちに寄ってくるウエイトレス。なんだろう…?
「お客様、申し訳ありませんが、相席でもよろしいでしょうか?」
「んー…いいよ」
ウエイトレスの返事を聞きながら、炎狼が居なくて暇だったんだよなーとか思っていた。
少ししたらもう一人誰かを連れて戻ってくるウエイトレス。
でも俺の注目はその奥に少し見えている厨房でオムライス(多分)を作っているシェフに向けられていた。
「ユウキ」
急に名前を呼ばれて厨房から視線を戻せば、目の前に座ろうとしているヒソカ。
「ヒソカ…!」
スーツを着て、髪型も違うのに解るヒソカオーラ。
なんか、雰囲気?がヒソカヒソカしてるんだ。
「わざと?」
「さぁ?」
思い浮かんだ疑問をそっくり聞けば、笑って誤魔化すヒソカ。
なんだろう。
最近(いや、この前会ったっきりだけど)のヒソカ、マンガとちがくないか?
「お待たせしました。オムライスのお客様」
「あ!俺♪」
オムライスが届いて俺は上機嫌になって答えた。
コトンと置かれる皿と、薫る良い香りに顔がほころぶ。
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