Long 『HUNTER×HUNTER』
13
そこはまずい…！
ビクッと俺が震えたのを確認して、ヒソカはパッと俺から離れた。
「じゃ、早く着替えて来てね」
「な…っ！」
俺は更に真っ赤になった。
ヒソカの足が無くなったせいで、地面に座り込んでいた俺。
そんな俺にニヤリと笑って出ていったあいつ。
ていうか、いつの間に引っ剥がしたのか、俺の下にはタオルが落ちていた。
「…っくそ」
ふるふると怒りに震える拳を無理矢理諫め、さっさと着替える事にした。
シャツは普通にワイシャツだけど、ズボンは部屋着っぽい雰囲気だ。
ヒソカもこんなの着るんだ…
なんて思いながら、部屋に戻れば楽しそうに笑ってるヒソカ。
「…何だよ」
むすっとして聞けば、またニヤニヤと笑うヒソカ。
だから、何なんだよ！
「ルームサービス頼んどいたから、食べていきなよ」
「へ…？」
拍子抜けだ。
また何かからかわれるのかと思った。
ヒソカを見れば、いつのまにやら嫌な感じじゃない笑顔。
「あ、ありがとう…」
ヒソカに促されて、隣に座る。
なんだろう。
ヒソカと居ると、調子狂ってないか…？
しばらくしたら届いたルームサービスを食べた俺は、服を持って自分の部屋に帰った。
部屋を出る最後の一瞬だけまた優しいヒソカになったのが気になるけど…
その日、俺はそのもやもやを発散するかのように沢山の試合を受けて、散々タコ殴りにしてやった。
それもこれもヒソカが悪いんだからな！
恨むならヒソカを恨め！
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