Long 『HUNTER×HUNTER』
11
ふと目が覚めて、隣に眠る少年を見やる。
何故、自分は彼にこんな風に接しているか解っていなかった。
自分の思考が解らないなんておかしな話しだ。
隣に眠る少年を起こさないように、ゆっくりと起き上がって、とりあえずシャワーを浴びる事にした。
雨音のように鳴り響くシャワー音を聞きながらも考えるのは少年の事ばかりで。
なのにいつもと違って戦ってみたい、というのはあまり頭を占めなかった。
体を拭きながら、部屋へ戻った。
「んん…?あれ?」
目を覚ましたらやたらと広い部屋が最初に目に入ってきて、寝起きでうまく動かない頭を動かせようとしていたらタオル一枚を巻いて頭を拭いているピエロさん。
「!?…っ!?」
俺は意味が分からず飛び起きれば、自分が服を着ている事に気付く。
よかったな、俺!
一線は越えてなかったぞ、俺!
「あ、…」
今の混乱が頭を働かせたのか、ショック療法的なものなのかは解らないが、昨日の事を思い出した。
「どうかしたの?」
「あ、いや…別に」
聞かれて変な意味で驚いたとは言えないし、そんな事を考えてたらヒソカなんて見れない。
そっぽを向いてぼそぼそと答えた。
「ふぅん…キミもシャワー浴びてきたら?」
「は!?」
「だって昨日そのまま寝ちゃったし」
ですよねー。
もう、だめだ。
原作のヒソカ含め、今のこんな状況とか…1回考えちゃったらそっちにいってしまう;
「お借りシマス」
いたたまれなくなって、そそくさとヒソカが来た方に行こうとした。
通り過ぎる瞬間ヒソカに腕を掴まれて、立ち止まる。
「…なに?」
振り返ればヒソカも何があった訳じゃないみたいで、すっと手を引いた。
なんだったんだろ…?
俺は不思議に思いながらもそのままシャワールームに行った。
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