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Long 『HUNTER×HUNTER』

部屋の中に入った途端に、腹が小さく鳴ってふと思い出す。

「そう言えば、そろそろ飯時だったな…」

それならさっき外で済ませてくれば良かったかな、なんて思いながらも再び部屋を出た。
遠くに歩いていた弱そうなのにムサイ格好のオッサンと目が合ってしまって、不快さに扉を殴ってしまった。
へこんだけれど、壊れなかっただけまだマシだな。

長い廊下を歩きながら頭を軽く掻きいて、記憶を探った。
空腹に悲鳴をあげかけた腹をさすると、つられるように記憶が蘇ってくる。

「あー…確か、カフェみたいなのが…」

うん。カフェくらいなら天空闘技場内にも合ったはずだ。
そう思い出して、炎狼の綺麗な毛に手を沿わせて撫でながら歩く。

エレベーターに乗って、エレベーターガールに問いかければ、目的の階へと導いてくれる。

「こちらの階で降りてすぐです」

「ありがとね♪」

にっこりと笑って礼を言うと、エレベーターガールは頬を染め、目線を外した。
こっちの世界でも俺ってカッコイイ(笑)

指示通りの方を眺めれば、エレベーターガールの言葉通りにカフェが見えた。

中に入っても誰も炎狼に文句を言わないから良いのかな♪
なんて機嫌を良くしながら、結構込んでいる店内を案内されて、奥まった部屋へと通された。

「こちらで宜しかったでしょうか?」

「うん。ああ、この子も大丈夫?」

「ええ。ですが、店内ではお静かにお願いします」

「ああ、それなら大丈夫だ♪な?」

炎狼に向かって首を傾げれば、炎狼はこくっと頷いてみせた。

それをみて、俺は満足そうに笑って、店員を見た。
店員は少し焦りながら、戻って行く。俺って罪な男〜♪

席に座ってメニューを開くと、沢山の食べ物の名前と、少しの写真が並んでいる。
綺麗に書かれたそれを読んでいると、結構しっかりした物もあって、カフェと言うよりもファミレスみたいだ。
まあ、店内はファミレスよりはオシャレかもだが。

「炎狼は何がいい?」

隣に座って居る炎狼にメニューを見せて問う。
俺の力で具現化されたのなら、より生き物らしく出来ている気がした。その方が楽しいもん。

炎狼はしばらく悩んだ後、鼻先で一つのメニューを指した。

「チキンソテー、な。解った」

炎狼に確認する様に繰り返すと、嬉しそうに頷く炎狼に癒されながら俺も適当に選ぶ。

決まってパタンとメニューを置けば、タイミング良くウエイトレスが通りかかったので呼び止めて言った。

「御注文をご確認させて頂きます。チキンソテーがお一つ。サンドイッチセットがお一つ。以上で宜しかったでしょうか?」

「ああ、よろしく」

にこっと笑顔を返してみれば、店員は赤面して足早に帰ってしまった。・・・つまんない。

料理を待つ間手持ち無沙汰で、炎狼と遊んでいたら、さっきとは別のウエイトレスが歩いてくる。
お、東洋系の美人サン…俺好み☆

「大変お待たせ致しました。サンドイッチセットです」

言われてサンドイッチとコーヒー、気持ち程度のサラダを順にテーブルに並べていく店員。
俺はそれを笑顔で受け取ると、ウインク混じりにその手を取ったけれど、店員はそそくさと帰って行ってしまった。

「お先にイタダキマス♪」

炎狼に向かってそう告げると、炎狼はこくんと頷いてその場に伏せた。

俺が一つめのサンドイッチを半分程食べた頃、チキンソテーが運ばれてくる。
写真通り、ソースは好きに書けて良いらしく、2種類の小さな更にソースが盛られていた。

「ああ、それはこいつのな」

「…畏まりました。ご注文は以上で宜しかったですか?」

ウエイトレスに向かって炎狼をさしながら言えば、ウエイトレスはしばし考えた後、しゃがんで炎狼の前にチキンソテーを置いた。

「ああ。アリガトな」

炎狼の嬉しそうな顔を確認した俺は、俺まで嬉しくなって店員に御礼を言う。
それを聞いた店員は伝票をカタンと置いて足早に去っていった。

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あきゅろす。
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