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Long 『HUNTER×HUNTER』

この場所は今の俺には最適ではないだろうか。

戦いたい俺。
金のない俺。
情報が欲しい俺。

・・・最後のはまあついでだけど、ここなら人も多いし情報も集まるだろ。

なんて思いながらそのまま天空闘技場に心の赴くままに足を運び、さっさと登録をすませてしまった。




番号札を受け取りながら、むっさい連中の間を縫って中へと進んでいった。
とりあえず、強い奴らが居るかの確認をしようと辺りを窺う。

道すがらに具合の良さそうな布を調達して、それで全身を覆った。
上手い具合に顔が隠れて、継いで見えた会場内を眺めながら笑みが零れた。

「んー…微妙」

俺、凝出来てるよな?
次々と入れ替わっては闘う連中を眺めてみるけれど、念を使った者は一切見当たらない。

念を抜いたとしても、あんま強い奴いなさそうだなー、なんて思いながら適当に空いた席に座った。

それにしても驚いたな。
念、たしかに使えてるっぽいし。

あとで水見式?とかやってみようかな…
こんなんだったら真面目に原作読んどけば良かった。

大人の事情とかによって俺はアニメを見てみただけで原作はちょっとしか読んでなかった。
・・・お金とかお金とかお金の問題なんだけどね。

とかなんとか考えてたら俺の番号が呼ばれてしまった。
ローブのようにして纏っていた布を更に深く被り、顔と体をある程度隠して指定された所へと向かった。





向かいに立ってるのは見るからに強いよーって見た目(ここ重要)の大男。
ムキムキの筋肉とにやーっと笑ってる口が気持ち悪い。

俺がリングに立ったら途端に観客達からヤジが飛ぶ。
『ママんとこに帰んな』やら『別のことやろーぜ』やら『ラッキーだったなデカイの』やら…ふざけんな、ボケ。誰に言ってるんだ?

「ここ1階のリングでは、入場者のレベルを判断します。制限時間3分以内に〜」

段々聞いてんの飽きてきた。
ヤジの方が耳に入るし。
適当に話しを聞き流しながらぼーっと突っ立てたら、試合開始のようだvわーい☆

「それでは両者…始めっ!!」

そう言って掲げた手をクロスさせながら振り下ろす審判。

新しい力、試させて貰おうじゃねーの。
にやりと口角を吊り上げると、相手にはそれが見えたらしい。

相手の目の前まで行こうと地面を蹴ったら一瞬で飛んじまう。
せっかくだからそのままの勢いでそいつの腹部に蹴りを入れてた。

「おー。まあ、イイ感じだな」

俺に蹴られた大男は観客席の奥の壁をボロボロにして、地面にずり落ちた。
意外にも広い会場の一番後ろまでぶっ飛んだのだから、上出来だろう?

一斉に場内のヤジもそれ以外の音も姿を消して、全ての奴らが目を見開き、大男を凝視した。

「っ…70階へ」

「いいよ、50で」

だって確か、ゴン達そうだったよな?
それに…じっくり楽しみたいし♪

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あきゅろす。
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