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Long 『HUNTER×HUNTER』

ターゲットは一応G.Iだけど、到底落札出来そうにもない。
と、言う事でゴンがたてた作戦は、大富豪だというバッテラ(バニラカステラで、バッテラ…うん(笑)あってるハズ)に、プロハンターだと名乗り出て雇って貰うというようなものだった

確かに、現状では一番良いと思われる作戦だ。
けど、そう上手くいくもんかなぁ…

「開始まであとどの位かな」

「10分くらい。どっかでお菓子売ってねーかな」

なんて子供らしいと思える2人の会話を聞きながら後を付いて会場に足を踏み入れた。
なんか、凄い念の使い手が居る気が…

みんながゴン達の噂してるのを聞きながら、俺は小さく吹き出してしまった。
そこらに居るガキとは、力も才能も、所持金だって…全然違うのに。

なんて思っていた時。
念の使い手の気配がすぐ隣に来て、覗こうとしたら振り返った知り合いの2人。

「ん?」

「おっ」

風にでもなれそうなスピードで、ゴンとキルアが逃げていった。
それを追い掛けるフィンとフェイが見えて、俺も追い掛けた。

足下から靴の裏が焦げたような音がして、ゴンとキルアの横に立ちながらそっと靴の裏を覗いてみた。・・・見なければよかった。

「つれねーな。逃げるこたねーだろ」

「安心するね。別にお前達殺る気ないよ」

まあ、確かに…2人からは今すぐ襲おう、なんて気配は読み取れない。
俺は話し始めたみんなの会話に耳を傾けた。

ついでに、久しぶりに見たような気さえするフェイタンを観察しながら。…睨まれた。
なんていうか、こう…懐かない黒猫みたいで、可愛いな。

なんてにやけていたら、フィンクスが気になる単語を口にした。

死ぬ事で強まる念があって、恨みや未練が残ったままだと、それが念を受けた物へと向かうかも、みたいなの。
つまり、今クラピカが死ぬのは団長が危ないからクラピカに手出しが出来なくなったそうだ。

「ま。そんなわけでオレ達はお前らから手を引く。…てなわけで、オレ達は純粋に競売を楽しみに来ただけだ。他の連中はみんなホームに戻る気だしな」

「あの…パクノダさん…も?」

「あいつは死んだよ」

知っていた。
何でかは解らないけれど、教えて貰っていた。
けれど…やっぱり…

「パクはお前らに感謝してたぜ」

そう言って去っていった彼らの背を見ながら、俺は慌ててゴン達を彼らを見比べた。

離れていく彼らに、俺は我慢しきれずにそっちへと向かいながらゴン達を振り返った。

「ごめん!ちょっと、アイツ等に用があるんだ」

驚いて何かを聞いてこようとした2人を置いて、俺は急いで彼らを追った。
ある程度ゴン達から離れた所で、彼らは振り返って止まった。

俺としてもゴン達が居ない方がよかったし、背後の気配をもう一度確認してから、彼らに声を掛けた。

「フィンー、フェーイタン♪」

フェイタンの眉間の皺が増えた気がしたが、俺からしてみれば飼い慣らしたくなっただけだ。
黒猫、いいなぁ…

なんて、おふざけはおいといて…俺は真剣な顔つきに変えた。

「団長の、連絡先を教えろ」

フェイタン所か、フィンクスまでもが不思議そうに、でも警戒からか眉間に皺を寄せた。
フィンがじり、と少しだけ足を動かしたのは、何があっても大丈夫な為だと思っておこう。

「何の為にそんな事を聞く?」

「クラピカの念を…消せるかと思って」

ピクリと2人が反応して、俺は聞き出せるかと少しだけ気分が浮上してきた。
パク…せめて、団長は助けるからな…

「ワタシ達が信じる思てるか」

「はぁ・・・信じなくてもいいよ。連絡先教えてくれるんなら」

大体予想が付いていた反応ではあるが、拒否をされてしまえばため息の1つや2つ、出てしまうと言うものだ。
まあ、その所為でまたフェイタン煽っちゃったっぽいんだけども。

「そんな簡単に、団長の連絡先なんか教える訳ないだろ」

「解ってるっつーの」

びきっなんて効果音が聞こえそうな位の勢いで、フィンクスさえも額に青筋を露わにした。
俺は困ったな…と苦笑して、能力を説明するだけの時間が無い事が怨めしい。

「出来れば、オークション後に説明したいんだけど…?」

「誰が」

「うるさい。俺の今の目的は、団長を助ける事だ」

他にもあるけれど…
最優先事項だと、思う。
2人が嫌々ながら返事をしたのをみて、俺は笑って別れを告げた。

「ありがと!じゃ、後でな!」

信じて、なんて言えない立場なのは解ってる。
だから、嫌々でもいいよ。

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あきゅろす。
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