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桜葉学園
20


「……げ」

画面を見ると、俺様の文字。電話をかけてきたのは会長だった。

無視したい。
でも、でなかったらきっと後で文句を言われる。

「……はい」

少し悩んだ結果、俺は通話ボタンを押した。

『遅い』

「……悪かったな、遅くて」

携帯から聞こえる、会長の声。

本当にムカつく奴。
何が遅い、だ。

『お前、生徒会室に…』「無理」

即答。
きっと、また手伝えって言うんだろ。

雑用なんて、めんどくさいし。そもそも俺は生徒会じゃないんだから、毎日手伝うのもおかしいと思う。

『いいから来いよ』

「嫌だ」

『は?お前…』

「だから、無理だって!今補習中なんだよ!」

会長に補習になったことは知られたくなかったのに。

…くそっ、口がすべった。

自分の失言に、内心舌打ちをする。

会長は一瞬黙り、俺の言葉を理解したのかまた口を開いた。

『―…何だ。赤点とったのか』

「うるさいっ、鼻で笑うなよ」

電話ごしでも分かる。
絶対笑いを堪えている。

『笑ってねぇよ。…そうだな。今からそっちに行ってやる』

「…は?」

会長が来る?
意味がわからない。
今仕事中だろ?

『おい、用事できたから…』

「ちょ、会長!?」

きっと瑛先輩に言っているのだろう。向こうの会話が聞こえる中、俺は混乱していた。

来てほしくないんだけど!

「会長、きいて……って」

叫んだ俺だが、すでに電話は切られており機械音が鳴るだけだった。

…え、本当に来んのかよ!?

俺は少し混乱しながら、携帯の画面を見つめていた。




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