[携帯モード] [URL送信]

桜葉学園
16


結局、会長のせいでやり直しとなってしまった仕事を手伝うハメになった。せっかく終わりかけていたのに。

「会長、どこいったんだよ」

今、会長はいない。
瑛先輩と言い争った後、生徒会室を出ていってしまった。

…おかしくないか。

会長がやるべき仕事をなんで俺がやらないといけないんだこの馬鹿!!

「つまんない〜。ねぇ、博のところいっちゃダメ?」

稔先輩は、仕事にあきたらしい。足をバタつかせて騒いでいる。

それにしても、博ってあの博だよな?

「博のところに行くっ!」

瑛先輩は、必死に止めようとしているけれど稔先輩は限界みたいだ。

「やっぱり博も生徒会だったんだ…」

2人の会話を聞いていた和が残念そうに呟いていた。

…"瞬"の情報は正しかったな。

「…はぁ、行ってきていいよ」

「いいの!?じゃあ、行ってきまーす!!」

瑛先輩は諦めたみたいだ。溜め息を吐くと、稔先輩に許可を与えた。

稔先輩は、嬉しそうに笑って生徒会室を出て行く。こんな上機嫌の稔先輩は初めてかもしれない。

「…仕事、しよっか。ごめんね、役員じゃないのに巻き込んで」

瑛先輩は一言そういって仕事を再開する。
ここに残ったのは、俺と和と瑛先輩だけになってしまった。

「会長は?」

「自室にいるでしょ」

…そっか。

「そういえば…外出してたみたいだね。どこに行ってたの?溜まり場かな」

瑛先輩は思い出したように俺達に質問してきた。
やっぱり俺達が外出していたことは知っていたらしい。

「…そうです。久しぶりに溜まり場に行ってきました!」

瑛先輩の質問に、和は隠すこともなくさらりと答える。

え、いいの?

「…だったら聞いたかも知れないけど、新しいチームが出てきたみたいだね」

「っ!はい」

「次は【黄光】が狙われる可能性が高いって。君達はどうするのかな?」

「…様子見らしいです。ね、夕翔」

和は俺に話をふった。
瑛先輩は俺に視線を向ける。

…うん。できれば言いたくないんだけど。だって、答える必要ないだろ。

「様子見って助けないの?」

同盟結んでるでしょ、と瑛先輩が問う。

「…状況をみて判断するつもりです。最初から助けることないと思います」

さすがに、無視はできない。だって、瑛先輩は怖いから。

「…ま、相手の情報が少ないからね」

瑛先輩は納得したようだ。一度頷いて紅茶を飲み干した。

「【黒龍】はどうするんですか」

俺達ばかり質問されるのは、不公平だ。俺は、瑛先輩に聞いてみた。

「駿貴がどうするかによるけど、【黄光】のことは様子見。もし、こっちが狙われることがあったら動くよ」

「そうですか…」

【黒龍】からしてみれば【黄光】が潰されようが関係ない。様子見というのは当たり前だ。

とにかく、相手の出方次第ってとこだな。




[*前へ][次へ#]

16/34ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!