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桜葉学園
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「お前はどうするんだ?」

「…えっ」

ふいに会長が俺に問う。

夏休み、帰省するかどうか。そんなこと全然考えていなかった。

…夏休みに帰省するのが普通だろう。わざわざ寮に残る理由なんてないし。帰省したら、夏休み中は毎日溜まり場に遊びに行ける。

「たぶん、帰る」

「…そうか」

会長は、表情一つも変えずに頷いた。再び、プリントに目を通し始める。

…生徒会はどうなんだろう。家に帰るのかな。

今思えば、俺は会長達の家を知らない。それは別に当然のことだろうけれど。

和がいうには、瑛先輩は俺達の家がどこなのか知っているみたいだった。
生徒会の特権というやつで、俺達の家を調べたんだろうけど、ずるいような気がする。

会長達の家は推測だけど、前に【黒龍】の溜まり場だった場所の近くだと思う。

もしそうなら、けっこう家が近いかもしれない。

「会長は帰んの?」

「帰らねぇ」

即答。
どうやら会長は家に帰りたくないようだ。

「ふ〜ん」

「…何だよ」

「…別に。会長の家ってどんな感じなのか気になっただけ」

寮部屋が広いため、会長の家も広いイメージがある。豪邸とかだったりして。

そもそもこの学園は金持ち学校。
俺達みたいに、狭い一軒家なんてありえないのかもしれない。

「…家デカそう」

「普通だ」

「会長の普通は俺にとって大きいの!」

だって、この学園が会長達のいう普通の大きさだろ。
うわー、ありえない。

「…何沈んでんだ」

「…金持ちはいいなって」

会長は、軽く溜め息をついて俺にプリントを渡した。

寮に残る奴って結構いるんだな、って…。

「…会長、これ、ちゃんと目通してるよな?」

「知らねぇ」

あぁ、やっぱり。
だってなんだよ、これ。
寮に残る理由が、めんどくさいからとか嫌だとか。

それにこれは明らかに親衛隊。生徒会様方が残ると聞いたからだって。

「…駿貴、ちゃんとやってるよね?」

俺の言葉を聞いた瑛先輩が、いつの間にか目の前にいた。

怒っている。

「うるせーな。面倒なんだよ」

「だからって、こんな理由許しちゃ駄目でしょ」

会長のせいで、また仕事やり直しなんて嫌なんだけどな。

瑛先輩と会長の言い争いを耳に流しながら俺はそう思った。




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あきゅろす。
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