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桜葉学園
13 手伝い


「…で、さっそくなんだけど」

部屋についたとたん、和は手を離して振り向いた。

何だろう。
俺が疑問符を浮かべていると、和はポケットから携帯を取り出した。

「げっ…」

「副会長からのメールがきちゃいましたっ」

タイミングが良すぎる。
俺達が帰ってきたところを狙ったとしか思えない。

「ついてきてほしい!」

和は携帯をしまい、手を合わせた。

…生徒会とは関わらないとチームのみんなに約束したところなのに。

「…俺は嫌だ」

「夕翔っ、お願い!1人でいきたくないし」

呼ばれたのは和だけなんだから、俺が行く必要はない。

「無視したら…」

「…そんなことしたら、秘密バラされるよ」

うん。瑛先輩に弱みを握られているのはかなりイタイな。

「和、頑張れっ」

「夕翔ひどい!」

和には悪いけれど、俺は行かない。生徒会室ということは会長もいる、ってことだろ。

「俺はもう関わらないようにするんだ」

「そんなの…、あ!」

その時、和の携帯が鳴った。

…嫌な予感がする。

「和っ、俺今から寝るから!」

すぐに自室に逃げ込んだ方が良さそうだ。

「駄目」

しかし、和は行かせまいと服の袖を掴んだおかげで俺は逃げられなかった。

メールをみた和は、ニッコリと笑う。

「ほら、これ」

そのまま和はメールを俺に見せた。

そこには俺も連れてこいという文字。どうやら、会長からの伝言みたいだ。

「…来ないと放送で呼び出しだって」

「……あのバ会長!」

学校にいる時だけではなく、寮でも呼び出しかよ。最悪だ。

「仕方ないよ。仕事の手伝いだけだし、行こーう!」

和はそう言って俺を引っ張る。

最悪だ最悪だ!
放送で呼び出しなんてやられたらかなわないから、どうせ行かなきゃいけないんだろ!?

「出発!」

それにしても、何なんだろう。何で和はこんなに嬉しそうなんだろう。
生徒会室に行くというのに。

確かに、俺も最初ほど生徒会に対して警戒心を持っているわけじゃない。
瑛先輩にはバレてしまったけれど、普通の生徒として接することができるから。

でも、やっぱり生徒会は敵チームだから…。


俺は…。


「ほら、早く行かないと」

「う、うん」

和に押されて俺は部屋をでた。




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あきゅろす。
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