[携帯モード] [URL送信]

桜葉学園
08


チームのことは、情報を待つということで一段落ついた。

今はみな、好きなことをやっている。

「…本当に久しぶりだよね〜。中学の時は毎日のように会ってたからさ」

コウは、へらっと笑い部屋にあったお菓子をひろげた。

「みんな変わってないな」

中学の頃から仲が良かった幹部達。何一つ変わってない。

「学校はどうなの?」

和は質問した。
幹部は、全員高校生。
コウとハヤセは俺と同じ年。"瞬"とセイはひとつ上だ。

「俺は平凡に生きてるけど。普通の高校生だよ」

"瞬"はソファーに腰掛けながら答える。

「俺も、中学から一緒の奴らとゲームしたり」

セイはゲーム機を机に置いた。

「僕らも普通だよ!この前クラスで打ち上げやったんだよねぇ」

「俺はパスしたけど」

確か、ハヤセとコウは同じ高校だった。2人とも同じクラスらしい。

「楽しかったんだよー?来ればよかったのに」

「女子がうぜーんだよ」

あ、女子がいるんだ。
…って普通か。

俺と和以外、みんな共学の学校だ。

「女子可愛いじゃーん!」

「お前、へらへらしすぎなんだよ」

「えー」

女子がいたらどんな感じなんだろう。
中学の時と変わらないのかな。

「そういえば、2人は男子校だっけ…」

セイは和の方に振り返って言った。

「うん、女子はいないよ」

和は俺の隣に座りながら頷く。

「なんか野郎どもしかいないイメージがあるな」

「結構色んな人がいるよ。個性的な人がたくさん」

ハヤセの発言に、和は苦笑しながら答えた。

確かに。真幸や稔先輩のように可愛い人 、会長みたいにかっこい…って何考えてんだ俺!

「ふーん、…あ、メール」

セイの携帯からバイブが鳴る。オタク仲間からのメールらしい。

「女子いないと寂しくない?」

コウがジュースを渡してくれた。色からしてオレンジジュースだ。

「別に…。女子みたいにうるさい奴もいるし」

…親衛隊とか、な。

「へぇ、男子ばっかりってのも面白そう。今度遊びに行こうかなっ」

いや、来ない方がいいだろう。

「【黒龍】の溜まり場みたいだし、一回みんなで行こうよっ!」

「絶対に来るなっ」

俺はすぐに拒んだ。
桜葉学園は他の学校とは違う。

それに、みんなで来れば会長にも正体がバレるかもしれないだろ。
幹部は俺と和みたいにフードを被っていない。
顔は知られてるんだから。

「え〜、なんで」

「…あ、そういえばさ。みんなは毎日ここに来てる?」

「総長ひどいっ」

俺は話を変えようと、コウを無視して新しい話題をふった。

「僕とハヤセは、ほぼ毎日だよ。"瞬"とセイは…」

「…俺は最近忙しくて、あんまり来てない」

セイが言うには、今日は一週間ぶりに来たらしい。

「そうそう。高2になったら忙しいんだよ。…今のうちにちゃんと勉強しとけよ?」

"瞬"は頷きながらコウに笑いかけた。

…情報屋なだけあって、"瞬"は頭が良い。偏差値が高い高校に通っているはずだ。

「えー、勉強嫌いだしぃ」

「…お前、学補だったよな」

「それ言っちゃだめでしょー?ハヤセの馬鹿」

コウとハヤセはごく普通の高校だ。
勉強はそこまで大変じゃない、って聞いてたんだけど。

「…あ!」

コウが全員にジュースを配り終えると、突然何かを思い出したように俺を見た。



[*前へ][次へ#]

8/34ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!