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桜葉学園
06


2時間くらい話をして、ようやく学園に戻ることを許してくれた。
桜葉さんに騒ぎにならないように頼み込むという条件付きで。

…桜葉さんに言っても、守ってくれないだろうな。

むしろ、見て楽しむ方だと思う。

「そういえば、"瞬"が手に入れた情報みたー?」

思い出したようにコウが口を開く。

「あ、見てない!」

"瞬"はパソコンを俺に向けると、ページを開いた。

「幹部…1人のデータと情報屋の写真」

画面に現れた幹部は、生徒会のメンバーではなかった。

「15歳。中学生か」

髪はキャラメル色でピアスもしている。中学生にしては派手かもしれない。

「ミナミっていうあだ名だ」

「…【黒龍】の幹部って何人いるんだ?」

「俺達と同じ」

"瞬"はそう言って、またパソコンを操作する。

幹部は4人ということは、稔先輩とこのミナミって奴と…あと2人分かんないのか。

「あ、情報屋は桜葉学園にいることは分かっている」

「桜葉学園に!?」

そういえば、生徒会って4人いるんだっけ。
集会の時、絶対に出てこない奴が1人いる。

「これ、情報屋の写真」

再び、俺達に画面を見せる。

「えっ…」

「"鷹"?」

真っ先に画面をみた和がそのまま固まった。

何だろうと思いながら俺も画面を見る。

「……ウソ」

「え、総長?」

…博だ。
【黒龍】の情報屋は博だった。

「知り合い?」

「う、ん」

"瞬"と対決したのは博。ということは、瑛先輩に情報を渡したのは博だったということになる。

もしかして、俺達はいつも博の監視されていた?

「驚いたー…。まさか、ね」

和は写真を凝視しながら苦笑した。

クラスで一番仲がいい友達だったのだから、裏切られた気分だ。

「…"瞬"ありがとう。良い情報が手に入った」

これがなかったら、博が【黒龍】ということを知らないままだった。


「良かった…。役に立つ情報で」

「これからも頼む」

「了解!任せとけ」

"瞬"は胸をはると、再びパソコンに向かった。
普段の明るさが戻ってきたみたいだ。



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