桜葉学園
03 幹部室
「みんなー!聞いて聞いてっ!帰ってきたよぉ」
コウは勢いよく扉を開けた。
「うっせぇな、コウ!たまには静かにしろよ」
「そうだよ。何騒いで…っ!」
部屋に入ると、懐かしいメンツが揃っていた。
1人が俺達に気づいて声を上げると、みな一斉に顔を上げる。
「え、まじ!?」
「そ、うちょ…」
「副総長もだ」
みんな目を丸くしている。
この部屋は幹部室。
幹部しか入れない場所。
俺と和は、その光景をみて笑いあいフードをとった。
「「久しぶり!」」
とたんに、みんなの顔が笑顔になり騒ぎ出した。
「いきなりだな、おい」
「僕が、下で会ったから連れてきたんだよ!」
「元気そう」
本当に久しぶりだ。
相変わらず、この部屋には色んなものが散らばっている。みんな、好き勝手に自分の物を持ってきて遊んでいるのだ。
「来るって先にいえよ」
「ハヤセ!」
銀のメッシュが特徴のハヤセ。
俺の所まで歩み寄ってくると、俺の頭に手を置き一言いった。
「牛乳飲んでんのか」
「な、うるせぇ!」
俺が手をふりほどくと、ハヤセは意地悪そうに笑う。
…相変わらず、ムカつく奴!
「"鷹"も大変だろ。コイツの世話」
「うん、大変だよ。朝、起きないしっ」
ハヤセの質問に和が答える。
何答えてんの!?
和は俺の味方じゃねーの!?
「…ハヤセ。そこらへんに、しとけば」
「はいはい」
ハヤセを止めてくれたのはセイ。ソファーに寝転がってゲームをしていた。
「お前、総長きてんのにゲームかよ」
ハヤセが椅子に座りながらセイに突っかかる。
「…今いいところなんだ」
「ちっ、オタクめ」
セイは、黒髪に眼鏡。
外見はオタクっぽい。
いや、オタクなんだけれど。普通のオタクと違うのは、喧嘩が強いこと。
「セイ、久しぶり」
「…久しぶり」
「何のゲーム?」
和は早速、セイの横に座った。
…けっこう仲が良いんだよな、この2人。
「総長、座って!」
コウが示した席の隣には、パソコンを開いている人物が座っていた。
「…"瞬"」
「………」
「久しぶり」
「お、おう」
一言返してくれたものの、"瞬"は俺と顔をあわせようとしない。
俺は溜め息をついて、その席に座った。
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