[携帯モード] [URL送信]

桜葉学園
02


主にチームの集会場になるのが、工場の近くの広場。

その広場の近くに、元幹部の1人が運営している喫茶店がある。

…喫茶店の裏口から入ると、チームの溜まり場につながっている。

つまり、喫茶店の奥や二階が【白蓮】溜まり場になっているのだ。


ギィー……。


「…誰だ!」

俺達が裏口の扉を開くと数人の男達がいた。

「ここ、裏口だぞ」
「何お前ら」

…俺達のこと、分かっていないらしい。

様子からして、新人。
高校生…年上かも。


「…幹部達、今2階?」

「っ!なんの用だよ」

「どこのチームの奴だ!」

俺が質問すると、騒ぎ出す新人達。

…誰の紹介で入ったんだこいつら。

少し呆れながら和の方をちらりと見ると、苦笑していた。

「どうしよっか」

「どうせ2階にいるだろ」

「だね。行こう」

軽く和と言葉を交わし、中へと一歩踏み出した。

「なっ、くるな!」

とたんに、大声を出す新人。俺達を中に入らせないように、立ちふさがった。

「面倒だなー。お前ら新人だろ?」

「……え」

フードかぶってる2人組なんて、俺達くらいしかいないはずなのに。

俺の言葉で、1人が目を丸くした。

「あの、まさか…」

「あーーっ!!"翼"と"鷹"だ!!」

突然の叫び声。
声のした方を見ると、階段に立っている人物。

「コウ!」

新人のセリフを遮って叫んできたのは、幹部の1人、コウだった。

コウと言うのは通り名ではない。あだ名みたいなものだ。

コウは金髪でピアスが左右に3つついている。
やんちゃでチャライ奴。

「え、何。いきなり戻ってきたの?」

「戻ってきたら悪いかよ」

「いいや、"翼"に会えて嬉しいもんねー!あ、他の奴らは2階だよ」

…やっぱり2階か。

「す、すいませんでしたぁぁ!!!」

俺達の会話を横で聞いていた新人達は青ざめながら謝った。

「総長と副総長だったなんてっ」
「スイマセン!!」

いや、別にそこまで怖がらなくてもいいのに。

「ねぇ、こいつら誰の紹介で入ったの?」

【白蓮】は、秘密組織なのでチームに入るには誰かの紹介が必要だ。ようするに、入ってくる奴は誰かの知り合いってこと。

「僕の後輩〜」

「えっ!」

コウは俺達と同じ年。
後輩ってことは、こいつら中学生だったのか。

「ねぇ、みんなに会いに来たんでしょー?」

「…うん。"瞬"いる?」

「…あー、いるけど」

コウは、少し気まずそうな表情をした。

「最近、"瞬"の様子がおかしいんだ。…取りあえず上に行こ!」

コウの後に続き、俺達は2階へと向かった。




[*前へ][次へ#]

2/34ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!