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何かしてあげたいだなんて






綱吉+守護者(ランボ除く)in深淵
「小動物みたいだね」続き?






「えぇ!? ルークって王族だったの!?」



詳しい事情を聞いた綱吉が、驚きに目を見開く。
王族という概念は綱吉にとって身近なものではなかったが、自分の態度が王族に対するものではないのだけはわかる。
青ざめた綱吉に、ルークはこてんと首を傾げた。
その幼い仕草を可愛いと思う余裕もない。



「オレたち、すごく失礼な態度とってるよね? これって不敬罪? ってのになるんじゃないの!? 今からでも敬語使った方がいいのかなっ!?」


「何言ってんだよ。これが普通だろ?」


「……え?」



ルークの言葉に、パニックになりかけていた綱吉の思考がストップする。



「それってどういう……」


「だって、ティアもガイも敬語なんか使ったことねーし、ツナヨシたちと変わんねー態度だったぞ?」


「ええぇっ!!」



一拍置いて、パニック状態が戻ってくる。
綱吉にそこまでの知識はないけれど、王族に対する態度くらいは想像できる。
自分たちの態度、そしてルークの仲間の態度が、どれだけまずいことなのかも。
周りにいた守護者たち(特に獄寺や骸、雲雀)も、あからさまに眉を顰めた。



「それはおかしいですよ、十代目。王族にこんな態度をとるなんて!」


「忠犬の言う通りです。仮にも王となる者にそのような口をきいて、赦されるはずがありません」


「その子が偉いってこと、忘れてるんじゃないの。あの同行者たち」



嵐、霧、雲の三人は知識があるため、実に不愉快そうだ。
貴族生まれの獄寺はともかく、骸と雲雀が何故その知識を持っているのかは謎だが。
彼らのことだから帝王学くらい学んでいても不思議はない。
そもそも、日頃、凶暴な家庭教師に散々駄目だと言われ続けてきた綱吉でさえまずいとわかることなのだから、三人が怒るのは当然だろう。


すっかりルークを気に入ったらしい雲雀などはイライラとトンファーを取り出した。



「わからないんなら、無理やりわからせてあげてもいいよね」


「ちょ、ヒバリさん! トンファーしまって!」



というか、ここでそれをつついてしまうと、綱吉たちが処罰されてしまうことになる。
渋々トンファーを収めた雲雀を見ながら、綱吉は真っ青だ。


綱吉たちの会話の内容がわかっていないのか、ルークは未だきょとんとした表情のままだ。



「大丈夫か? なんかまずいこと言ったか?」



厳しい表情の綱吉たちを見て、ルークが不安そうに綱吉を覗き込む。
優しいルークだけが綱吉にとっての癒しだ。


それでも、頭を抱えてしまうことには違いない。
綱吉はぐっと唇を噛みしめた。


綱吉たちは異世界からやってきた、この世界にとってはイレギュラーな存在だ。
ここで動いてしまえば、この先どうなるかわからない。


だけど。



「こんなの、間違ってるよ」



ルークの仲間を自称する彼らは、仲間のくせにルークをバカにしていた。
そのたびにルークが泣きそうになっているのにも気づかずに。
会ったばかりの綱吉が気づくくらいなのに、彼らは気づこうともしない。
そんなのは、許せなかった。



「いっそ王に訴えるのもいいかもしれませんね。いかに愚かな王でも、自らの権威が落ちると知れば動かないわけにはいかないでしょう」



骸の言葉に頷いて、綱吉は不思議そうなルークの手を握った。
この後、自称ルークの仲間たちが処罰されるのは、時間の問題だった。






+end+






+++++



アンケート七位その他で復活×深淵でした。
なんだか、新たなジャンルを発明(?)した気がします。
「仲間に優しくない」という……。
厳しめは書けないんですが、仲間には優しくないと思います。
この後、綱吉たちはルークと旅して世界を救って、解放したローレライに元の世界に還してもらうんだと思います。






2010.05.21.

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あきゅろす。
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