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見守る者の心配



U主→リオウ






「リオウ殿、そろそろ休まれた方が……」


「もう少し片付けてからにします。シュウさんは先に休んでてください」



首を横に振り、再び書類に手を伸ばす幼き軍主に、シュウは苦い顔を隠せなかった。


シュウの主、リオウは、最近ずっと執務室にこもりっぱなしだった。
そう多くはない書類に目を通し、することがなくなればシュウやアップルに兵法を学ぶ。
時にキバやリドリーから将としての在り方を教わり、テレーズと今後のことを話し込む。


まるで逃げているようだとシュウは思う。
何から逃げているのかまではわからないが。


普段のリオウは、軍主としての仕事をサボることこそなかったものの、仕事が終われば真っ先に飛び出してチャコやフッチと遊びに行ったものだった。
このところ遊びにどころか気分転換にさえ出ないため、チャコたちから苦情が来ている。
原因はシュウではないのに、だ。


シュウは深々とため息をつくと、リオウの手から羽ペンを取り上げた。



「シュウさん!?」



リオウがらしくないことをしてくれたおかげで、彼が片付けるべき書類はないと言っていい。
追い出して2、3日放っておいても問題はない。



「リオウ殿。軍主の仕事は一旦お休みになって、少しは少年らしく遊んできてください」


「うわっ」



リーダーと呼ぶには軽すぎる体を持ち上げて、シュウは部屋の外にリオウを放り出した。
顔には苦笑が浮かぶ。
それでも「軍主らしい」リオウを見ていられなかったのだからしょうがない。



「俺も丸くなったものだな」



「少年らしい」リオウのことが、思った以上に気に入っているようだ。










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