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朽ち果てる永遠


言うつもりなんてなかった。
一生隠し通す自信だってあったし、今までだってちゃんと隠してきた。
実れば幸せだろうけれど、不作の恋は決して幸せを運ばない。
ならば告げないほうが幸せなのではないだろうか、と思ったんだ。
今までの居心地の良いこの関係を壊す危険性がある賭に、手を伸ばすことはないと。
それなのに。
もしかしたら、さっき飲んだワインで少し酔ってしまったのかもしれない。

「好きだ、ずっと前から愛してた」

口から出た言の葉を取り戻すことは出来ず、ベッドに押し倒した彼の鼓膜を震わした。

「、本気か…?」

只でさえ大きい瞳を更に見開いてイギリスは驚くと、真剣な声で俺に問いかけた。
碧の瞳は俺を映してる。

俺は、俺は。
俺はさぁ。

「…なぁーんてな。冗談に決まってるだろ、信じるなよ」

泣くかな。
なんて心配はイギリスは無用だったみたいだ。
彼の瞳が揺れたのは一瞬、すぐに殺気を帯びた冷めた瞳になった。

「…俺はその手の冗談が大嫌いだ」

知ってる、と言おうとしたのにイギリスの綺麗な右ストレートが俺の頬に入ったせいで言葉は発せなかった。
イギリスは俺を押しのけると乱暴にドアを閉めて出て行った。
俺は口の端に滲む血を手の甲で拭って息を吐いた。

「俺は冗談しか言えない莫迦だよ、」

真剣な相手には、愛してるなんて冗談でしか言えないんだ。

さっきまでイギリスが居たベッドにうずくまる。


だから俺は知らない。



(ドアの向こうでイギリスが泣いてたなんて)







end!
フランスは本気の恋に臆病だったらいいなぁ。フランスもイギリスも関係を壊す勇気がない臆病者同士。だからこの恋は実らないのです。そして2人が永遠にと願った関係は朽ちていく。



あきゅろす。
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