お前を蝋人形にしてあげる 「飴玉みたいやなぁ」 って思ったのが、ついうっかり口に出てしまった。 イギリスが怪訝そうに此方を見て瞳を瞬かした。 「あ?突然、何だよ。飴喰いたいのか?」 「そんなん、ちゃうわ。イギリスの眼って綺麗な碧で飴玉みたいやなぁーって思ってん」 「何だそれ、俺の眼は喰えねぇよ馬鹿」 「分かってるわ、あほ」 トマトみたいに真っ赤やったら、もっと好きやねんけどなぁー。 でも、熟れる前のトマトの碧みたいで此の色も好きや。 溶けるまで舐めてみたい、なんて言ったらキモいって言われるのは確実やろうから絶対にイギリスには言わへんけどな。 「唇は柔らかいし、睫毛は長いし、顔は可愛らしいし、肌は綺麗やし、体は細くて華奢やし、髪の毛はキラキラしてる。イギリスは、ほんま綺麗やなぁ」 「…んなこと言っても何もやらねぇ、つかお前キモい」 「えー、酷いなぁ」 ケラケラ笑ってみせるけど、イギリスは不審そうな顔をするだけだった。 ほんまに本心を言ってんのに、この子は信じへんねんもんなー。 「なぁ、俺ほんまにイギリスのこと綺麗って思ってんねんで」 美しいとか愛らしいとか全部が全部イギリスのためにあるんじゃないか、と思えるぐらいの溺愛っぷりや。 けどな、イギリスのこと知ってるの俺だけじゃないやん。 フランスとかアメリカとか、みんなイギリスのこと知ってるやろ? それが嫌やねん。 俺だけの…、俺だけのイギリスがええねん。 綺麗なイギリス。 俺だけの名前を呼んで、俺だけを見て、俺だけに口付けて、俺だけに触れさせて。 「イギリスのこと、監禁したいぐらい愛してんの」 「、冗談」 冗談ちゃうよ、今俺は本心しか思ってへんもん。 あ、ちょぉ、俺天才かも知れへんで。 誰にも汚されることなく綺麗なままお前を傍に置いとく方法、思いついたかも。 「なぁ、イギリス」 (お前を蝋人形にしたら俺だけの物になるかなぁ?) end! 蝋で体を固めたら空気に触れないから腐らないんじゃないんでしょうか。よく分からないけれど。スペインはイギリスを蝋人形にしてお部屋にでも飾るつもりです。 タイトルはD閣下のあの曲から。友人の無理難題をちゃんとやった私は偉いと思います^^^^ |