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指切り


『必ず帰ってくるから』


其れは、小さい頃に彼が告げた約束。
行かないで。って言いたかったけれど、待ってる。と俺は答えた。
そしてキスをした。
其れは誓いに近かった。


離れて何日何ヶ月何年かが過ぎた。
もう戻って来ないのかも…、って不安が襲ってくることがなかったわけじゃない。
でも彼は約束したから、と不安を振り払う様にその度に首を横に振って待ち続けた。
もう1度会いたかったから。

そして、その日は来た。
俺は凄く大きくなっていて、彼も大きくなっていた。

「し、んせいローマ…?良かった、俺…、俺……!」

良かった、帰ってきたっ!
嬉しさの余り、抱きつきに行こうとした瞬間。

「俺は神聖ローマではない、そいつは死んだと聞いた」

突きつけられた言葉。
突きつけられた拳銃。

「、え、そんな、嘘…。死んだ、なんて、」

だって帰ってくるって約束したよ。
俺、待ってるって言ったらキスしてくれたんだ。
神聖ローマは約束破ったりしないよ、死んだり、なん、て、しない、よ……っ。

ポロポロと瞳から雫が零れた。
いつも見慣れている其れは止まることを知らないのか、流れ続ける。
俺の前に居る彼に似た人は何故か辛そうな顔をした。

「…俺はお前を知らないはずなのに、お前が泣くのを見るのは何故か、…分からないが、凄く嫌だ」

静かに泣く人は、何かを忘れている気がするんだ。と呟いた。
俺だって嫌だよ、泣かないでよ。



きっと君は彼なんだと感じた。
俺ね、神聖ローマが帰って来たら、笑って「おかえり」って言って抱きしめ合おうと決めてたんだ。
…だけど、できないね。

大好きだったよ、愛しかったよ。
瞳閉じれば思いだす、彼の最後の笑顔。
抱きしめてくれた彼の体温も、俺を呼ぶ彼の声も。
君が忘れてしまっていたとしても、俺は決して彼を忘れないよ。

俺はとても幼かったけれど、




(確かにあの気持ちは、恋だったんだ)






end!
神フェリで泣いて泣いて泣いたので書いてみたんですが、上手くいきませんでした…。最近、上手く書けない…。神ロ、帰って来ないかな…、とか思ったり。フェリが可哀想すぎる。



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