救われない鎮魂歌
「ねぇ、イギリス。日本の好きな人を知ってるかい?」
「、…知らないし、どうでもいい」
(嘘つき)
(本当は知りたい癖に)
俺にバレバレなのも気付かずイギリスは興味のないふりをする。
ちらちらと俺を見てくることを俺は気付いていないふりをする。
「日本の好きなのは、俺なんだってさ」
「っ!…日本が言ってたのか……?」
「いや?でも、なんとなくで分かるよ」
それぐらいの空気は読めるようになったんだぞ、と付け足した。
でも、日本からのその感情は俺にしたら迷惑だ。
「それじゃぁ、イギリス。俺の好きな人を知ってるかい?」
「っ知らない!!止めろ!」
(嘘つき)
(本当は知ってる癖に)
イギリスは強く目をつぶり両耳を塞いだ。
「俺はね、イギリスが好きなんだ」
「煩い煩い煩い言うな!聞きたくない!」
「イギリスが好きなんだよ」
「止めろっ!止めてくれ…、アメリカ……、頼むから…っ」
イギリスの閉じられた瞳から涙が零れ落ちる。
泣き崩れるイギリスを抱き締めてあげることも出来ないまま、俺は立ち尽くした。
(知ってる癖に知らぬふりをする)
(君はずるいよ)
end!
蛇足:メリカを弟として大切にしたいイギ。だからメリカの気持ちに気付かないふりをして、日本に思いを寄せてます。
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