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MARIA
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翌朝。早朝四時過ぎ。


まだ眠っていた敬史を起こさないように、俺は静かにマンションを後にした。


敬史に抱き締められながら寝てたから、解くのに大分手間取ったけど、敬史が良く寝てくれてたお陰で何とか家を出ることに成功した。


マンションからの帰り道。まだ電車は動いてないし、タクシーは学生には金銭的にキツイしで、俺は仕方なく歩いて家に帰ることを選んだ。


数分歩いて、人通りも車通りも無いこの時間。俺は道路に座り込んだ。

「凌ー……」

知らず、凌の名前を呼んでいることにも気付かずに。

「……ンなトコに座ってたら、また風邪ひくぞ」

「?!」

不意に背後から、ここにはいるはずのない声が聞こえて俺は驚愕に目を見開いて振り返った。
するとそこにいたのは、紛れもない凌で。


凌は少しだけ呆れた顔をして、俺を見下ろしていた。

「酔いは?覚めた?」

「え……?あ、うん……。それよりどうして、こんなトコに……?」

どうやら俺が昨夜、酒を飲んでいたと勘違いしているらしい。……一体どんな説明したんだよ、敬史。

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