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MARIA
2

アイツが入院してからの約半年間、俺は毎日のように病院に見舞いに来ていた。


俺にとって、一日一日がとても長く感じられた日々。


今日―――十月一日―――は、ちょうど文化祭の準備が大詰めを迎えていたので、いつもより若干帰宅時間が遅くなってしまった。


結局、学校を出た時は午後8時を回っていた。


流石に病院へ行っても追い出される時間だなと思い、溜息を付いた瞬間、携帯が鳴り響いた。


ディスプレイを見ると、見知らぬ携帯の番号が表示されていて。


誰だろう?と思いながらも、通話ボタンを押した。


「もしもし?」

『……、敬史君?』


――――電話の主は、アイツの母親からだった。
もうすでに泣いているんじゃないかと思う程の、切羽詰った声で彼女が言った。


「今日が峠だから、今から病院へ来てもらえますか?」と。


それを聞いた瞬間――――俺は一体、何を思ったのだろうか。

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