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MARIA
2

寝起きは人一倍悪い俺だが、昨日は殆ど眠れなかった。翌朝になっても、隣の葵はまだすやすやと良く眠っている。


寝顔だけ見れば穏やかで、まるで天使のようだと思った。


大袈裟なんかじゃない。
本当は、葵は俺の中で天使以上の存在だから。


静かに見守っていたが、一向に起きる気配がないので俺は一度朝食を取るために一階に下りて腹拵えをした。


部屋に戻っても、葵はまだ眠り続けている。俺はソファに座って、葵が起きるのを待つことにした。

「ん……」

更にそこから数時間経過すると、やっと葵が目を開いた。

「葵」

俺が呼び掛けても反応は無い。どうやらまだ寝ぼけているみたいで、天井を見つめている。


しかし、自分の部屋じゃないことに気付いてこちらを振り向いた途端、俺と目が合い勢いよく布団を引き剥がした。

「凌!!」

あぁ……。まだ、俺の名前を呼んでくれるのか。


ジッと見つめていたが、ソファを離れ徐に葵に手を延ばそうとしたら、

「来るな!」

と叫ばれたら、俺はそこから動くことが出来なかった。

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