MARIA 1 行為の後、完全に意識を飛ばした葵。 適当に身体を拭き後処理をし、衣服を着せて葵を抱き抱えるようにして俺の自室へ運んだ。 ベッドの上に寝かせて、布団を掛ける。葵の部屋じゃなく俺の部屋に運んだのは、単に俺が葵の傍にいたかったから。 葵が起きたらきっと、嫌がって俺から逃げようとするだろうけど。 葵の頬にこびりついた涙の痕を、指先で拭った。 散々泣かせて葵を傷付けた張本人なのに、傍にいたいなんて思うのはただの我儘なのか。 ――――葵。 確かに自分で望んで、手に入れたはずなのに。 どうしてこんなに……胸が痛いんだ。 [NEXT#] [戻る] |