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MARIA
14

「いや、単にアイツ、特に何にも関心示さないからきっとあんまり関係ないと思うんだ」

食べ終えた弁当の包みを括りながら俺は断言していた。


弟である凌の性格は兄の俺が一番良く知っているはずだ。……だって、仮にも十六年は同じ家で一緒に暮らしているんだから。

「それ、兄弟なのに結構酷くない?葵」

「そうかな?」

「そうだって。大好きなお兄ちゃんにそんなこと言われたら、俺が凌クンだったら泣いちゃうね」

敬史はきっと、何てことはない軽い気持ちで言ったんだろうけど……何だろう。胸がキリキリする。

「……凌は…泣かないよ」

「どうして?」

「だって、アイツ……俺に関心ないし」

最後の方は自信のなさからつい小声になってしまった。まともに敬史の顔も見られない俺は、弁当箱を鞄に仕舞うのを言い訳に、敬史から目線を外した。

「それ、葵が勝手にそー思ってるだけだと思うけど?」

「どうして……?」

「だって、嫌いならあんなこと言わないだろ。客観的に見てる俺から言わせてもらえば、反対に葵のこと好きすぎて凌クンはどうしていいのか迷ってるように見えるけどね」

「凌が俺のこと好きすぎて……?そんなの、この歳になってから実感したことない。昔は良く俺の後ろ着いてきてたけど……今は、あんなだし」

弁当箱も片付け終わって机に置いていた手を握り締めたら、無意識に力が篭る。


それすらも気が付かないでいたら、向かい側に座っていた敬史の手が俺の手を包み込むようにしてそっと触れた。

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あきゅろす。
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