MARIA
2
「ふざけるなよ」
葵は分かってない。
離れたら忘れられる?
素敵な子が現れる?
そんなこと、あるはずがない。
俺なりにもう何度も試した。俺は精神がイカれてるのかとも考えて悩み、自分なりに葵と距離を置いても気持ちは薄れる所か膨らむばかりでどうすることも出来なくなって。
だから――――告白したのに。想いを告げて……恋人になった訳じゃないけど、俺の気持ちを知って受け入れてくれた。
葵を抱いた感触がまだ俺の全てに残っている……。
欲望はもっともっとと加速をつけて俺を襲ってくる。知らなかった時よりもっと強い激情。
抱いて葵を知ってしまった今の方が全然歯止めが効かなくなっている。
……葵が欲しい…。
もっと、もっと……葵の全てが欲しい。
「……させるかよ」
俺から離れるなんて、許さない。
――――悩みながらも俺を受け入れてくれたんじゃねェの?
葵がいなくなったら、俺は空気を吸うことも忘れて息をすることも出来なくなる。
それ位……胸が張り裂けそうに痛ェよ、葵。
これだけの激情を、気の迷いで済ませるのか。
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