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MARIA
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「葵……?」

昨日……吉野の家近くにいた葵をバイクで連れて帰って。


そしたら首筋に俺のじゃないキスマークを発見して一気に気分が悪くなった。


もしかしたら吉野に抱かれたかと思ってたけど、俺が風呂場で抱いた時にそんな痕跡は見付けられなかった。だからキスマークだけかと嫌々ながらも少し安堵したのが、昨日。


朝になって毎度ながら足腰立たなくなった葵は学校を休み、俺は『絶交』を恐れて渋々学校に向かった。葵のいない学校なんて俺にとって何の価値もなかったが、葵を怒らせる事は本意じゃないから。


――――で、夕方帰って来て葵の様子を見に行くとベッドに寝ているはずの葵はいなくなり、しかし代わりに朝にはそこになかった手紙らしきものが置いてあった。


嫌な予感が脳裏を過ぎる――――…。


俺は気のせいだと自分に言い聞かせ気持ちを落ち着かせながら、手紙を開いて目を通した。

「………」

葵らしい、男にしては綺麗な文字。


しかしそこには、恐れていたことが書かれてあった。俺は最後まで手紙を読むと乱暴に掌で握り潰してグシャグシャに丸めて捨てた。

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あきゅろす。
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