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ゆらゆらと浸食(白骸






君が一人になると泣いているのを知っていた


決して屈しないその頑強な瞳から溢れる涙を知っていた


そして、見てみぬふりをした










「ねぇ、好きだよ骸君」

「…それは貴方流の拷問ですか」

くすくすと少し大袈裟に笑う
「そうだったら楽なのにね」







あぁきっと馬鹿げてる
気まぐれに生かして気まぐれに殺す


簡単な事なのにこんなにも君に夢中



幾らだって酷い事をした

その綺麗なオッドアイが濁って命乞いをしたのならばすぐに殺すはずだったのに

君は少しだって汚れない


君がどれだけ人を殺めていようが僕には関係ない

ただその高貴な瞳が腐り落ちてしまうことが無いのなら






「ねぇ、骸君はどう?」

僕の事好き?




返事の代わりにふい、と視線を逸らす
柔らかな髪がゆっくりと舞った

「うーんこんなにも愛してるんだけどな」

その髪を掬い口付ける

「何が目的ですか」
(体もあげた。自由もあげた。ならば何が)



「目的、じゃないよ。ただ骸君が欲しいだけ」
「もう貴方のもの同然じゃないですか」
「違うよ。僕は骸君にも欲されたいの」


これは、戯言
欲しいものは手に入れた
何が何でも手に入れた
でも君は違う

手に入れただけじゃ駄目なんだ





「そんな、こと…っ、貴方は馬鹿ですか」
「うん、馬鹿になっちゃったみたい」




胸が痛くて堪らない
君が泣く理由を知っているから
君の居場所は此処ではないから
君を幸せにすることは出来ないから


見てみぬふりを、する







「ごめんね骸君、大好き。愛してる。凄く好き」

「…何で…っ」

宝石のような赤と青の瞳から他人には見せない涙が零れた
咄嗟にその体を引き寄せる



「何で…貴方はっ、僕を殺さなかった…っ」
「うん」
「こんな想いを、するのなら…いっそ、」
「うん」
「貴方は残酷だ…」
「…うん」


触れた体温は思ったよりも温かくて、抱き締めた体はずっと細かった



きっと幸せになんかなれやしないって
けれどそんなこと、どうでもいい





骸君以外のぜんぶぜんぶ全てに、




見てみぬふりを、した













fin










えーっと今更白骸ですw
どうですかね…複雑だ
一応白→←骸くらいになってます
骸が気づきたくなかった感情的な

ちょっとキャラつかめてない部分がありますがもうそこら辺は愛で乗り切って下さい\(^o^)/

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あきゅろす。
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