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まだ子供扱いでも





見てるだけでドキドキするとか…、
もしかしなくても俺って病気じゃないのかななんて心配になる。


可愛い、なんて言ったら殴られるに違いないからそう思うだけで我慢しよう。


そうしてまた数字の羅列に目を落とすが、さっぱり頭に入らない。
これはもうしょうがない、と諦めて机の向こう側で異国語で書かれた新聞を読む男の横顔を見ることに専念することにした。


熱い視線に気付いたのか
赤い瞳と目が合った。



「…なにニヤニヤしてんだ…気色悪ぃ…」

「んーん、なんでもないよ」


にこ、と満面の笑みで返事すると、ただでさえ人相の悪い表情がもっと険しくなった。
眉を寄せる顔が似合い過ぎると言ったら怒られるだろうか。


「綱吉、宿題は終わったのか」

「ザンザスがいるから終わらないよ」


本当のことなんだから、しょうがないじゃないか。
そんなに睨まないでよ。


「見とれちゃって数字なんて頭に入らないし」

「このクソガキが」


長い腕がのびてきて、バシンと頭を叩かれた。

何しろ手がでかいし、俺より何倍も力がある。
正直すごく痛い。


「いった…!ちょ、手加減してよ!これ以上勉強出来なくなったらどうすんのさ!」

「大丈夫だ。お前の頭は既にどん底だからそれ以上悪くはならねぇ」

「うわ、ひっど」


涙目で文句を言ったけど、ザンザスはまたふいと新聞に目を戻してしまった。


(あ、)


でもその横顔がほんのり赤くなってるのが分かって、俺は嬉しくなる。

単純と、おかしいと言われてもいい。
ザンザスの、こういうところが好きなんだ。



「…何だよ」

「なんでもないよ?」




いつになったら、素直になってくれるんだろうね?

取り敢えず中学を卒業しないと駄目みたいだ。
やれやれ、と軽く溜め息をついて、俺はまた数学のノートに視線を戻した。







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