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冬空の下
(はる錫)

藤黄を目指して、俺は歩き出す。
少しの寒さと隠しきれない期待を感じてながら

「せんせい、」

白い息と共に、今日の願いごとは消えて行った。

水浅葱の吐息



(一哉)

コンビニ帰り、空を見上げながら歩けば目につくのは、一際輝く一等星

こんなにもたくさんの星があるのに
目をひくのは強い光


その姿はあの人のようで

「こら、七海」

駄目だろう?こんな寒い日にそんな薄着で出歩いたら。

服を通して感じるぬくもりにピリピリと痛みを伴う寒さも忘れて

海松茶の中微笑んだ



(ほまみや)

ふと、星が見たくなって手を止めた。

カーテンを開けるけれど、露点によって、いつも見上げる夜空の額縁には靄がかかっていた。


玄関に向かえば、まだ外に出ていないのにこんなにも空気がピンとしている。この感じは好きだ
自然に流されて、自分もまっすぐになれるような気がするから。

無意識に指に息を吹きかけつつ見た星空
今日は月明かりが強くてそんなにたくさんの星は確認できない。薄い雲もかかっている。

それが少しだけ、煩わしくもあった。



「僕はね、星空も勿論好きだけれど…なんて言えばいいのかな」



空の全ての表情が好きなんだよね


雲を突き抜けて筋を作る月明かり
綺麗だ、と思った
星を抜きにしたら、自分は今までに何回きちんと空を見ただろう


「幸せってね、案外、身近なところにあるものだと、僕は思うんだ」

白鼠光の元暗し





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